汚部屋という言葉が出来て、久しい気がします。

汚部屋掃除の専門の方が本をだしたりして、有名な言葉になった気がします。

患者さんでも、時々汚部屋住人がいらっしゃいます。案外、身近なのかも・・と思うことが・・

一流の企業に勤めていたAさん。

糖尿病があり、腎臓が悪くなり、透析になることになりました。

でも、絶対透析は、嫌だと。透析するぐらいなら、死ぬと。

食事療法も嫌だ!とある大雪の日、シャツ1枚で、病棟から牛丼を食べに行くと、私たちにわざわざ公言して、行こうとして止めたり・・

食事療法をしているので、牛丼もコンビニご飯もダメです。

ですが、医療者を困らせたくて?、かまわれたくて?、

毎日大量のご飯類をコンビニで買ってきて、病室のテーブルに載せます。

重ねて、何層もにして、コンビニご飯を積み上げます。

衛生的にもよくないし、最初はご本人の持ち物だし触るのは・・と遠慮していましたが、

だいぶたってもそのままです。

恐る恐る下のお弁当の日付をみると、とうに賞味期限過ぎています・・

しかし、ちゃんと、言われた通り、食べていない・・

手を付けていない牛丼とか焼肉弁当とかカレーとか出てくる出てくる・・

そして、いずれも腐っていないのでした・・本人も、コンビニのお弁当は腐らないよ!と教えてくれました。

整理させてもらい、奇麗にして・・

姉という人が来て、お話をしたところ、なんと、家は、G(Gokiburi)にネズミにたいへんなことになっていると・・

寂しかったのかもしれません・・全部きれいにして、いろんな話をして・・

以後は病棟にお弁当持ち込みはなくなりました・・でも最後まで透析は拒否でした。

冬になると思いだすエピソードです。

高橋医院