筆者は次に 
肥満の根本原因はインスリンであることを
詳しく解説します

インスリンの話題も
既に何回か登場しましたが
キーポイントなので再度説明します


<肥満は インスリンの過分泌 
 インスリン抵抗性で起こる>

摂取カロリー量 食欲は
複数のホルモンにより規定されていて

このホルモン調節の異常により
肥満が生じてくる

摂取カロリー量 食欲を規定するホルモンの説明図

これは 無意識の生体反応なので
ヒトが意識的にコントロールすることはできない


体脂肪増加を調節するホルモン
脂肪を摂りこませるホルモンとしては
*インスリン
*レプチン
*アディポネクチン
などがあり

それらは
*ホルモン感受性リパーゼ
*リポタンパク質リパーゼ
*脂肪組織トリグリセライドリパーゼ
などの 
脂肪の蓄積・分解に関わる酵素
の働きを調節する

脂肪の蓄積・分解に関わる酵素の説明図1
脂肪の蓄積・分解に関わる酵素の説明図2

摂取カロリーが減ると
空腹ホルモンのグレリンの分泌が増え
満腹ホルモン
(ペプチドYY コレストキニン アミリンなど)
の分泌は減り 食欲が増す

こうしたホルモン分泌の変化は 
早期に起きて いつまでも続くので
カロリー制限中は 常に強い空腹を感じる

これは自然な身体的反応で 
個人の意志の弱さには全く関係ない


@インスリン

グルコースを細胞内に取り込ませ
肝臓でグリコーゲン合成を促進するが

摂取した炭水化物が
グリコーゲンの貯蔵量を超えると
余った炭水化物を脂肪に変換し
脂肪の蓄積 貯蔵を促進する

肥満の人は そうでない人と比較して
血中インスリンが20%も高く
腹囲 体脂肪量と強い相関がある

また
インスリン分泌を刺激する
スルホニル尿素薬の投与により体重は増加し

逆に
インスリン値を下げる薬を使うと体重が減る

つまり 
インスリンが太る元凶なのである

インスリンが太る元凶であることを説明する図


@コルチゾール

ヒトはストレスがかかると
コルチゾールが分泌されるが

ストレスでコルチゾールが分泌されることを説明する図

その働きにより
グルコースの利用が促進され 
筋肉にエネルギーが供給され
消化活動 代謝反応は一時的に制限され
タンパク質から糖新生が起こる

これらは
緊急事態への対応としては
望ましい代謝変化だが

血中グルコースを上昇させ
インスリン分泌を促進するので
コルチゾールは
肥満ホルモンとしての性格も有している

コルチゾールは肥満ホルモンとしての性格も有することを説明する図

特に長期にわたりストレスが続いて
コルチゾールが慢性的に高くなり
インスリン分泌量が持続的に高くなると
インスリン抵抗性が起きて
体重が増えてしまう

だから 
充分な睡眠をとり 運動をして
慢性的なストレスの解消を
心掛けなければならない


@インスリン抵抗性

肥満は長時間かけて形成されるが
その背後には
やはり長時間かけて形成される
インスリン抵抗性がある

昔から肥満の人の減量は難しいのに対し
最近太った人の減量は比較的たやすいのは
まさにインスリン抵抗性のせいである

インスリン抵抗性と肥満の関係を説明する図

肥満が長時間継続すると
インスリン分泌が
常に高い状態が維持されてしまうので
インスリン抵抗性が起こってくる

肥満の期間が長いほど 
インスリン抵抗性の程度はひどくなる


<間食はダメか?>

ここで筆者は
食べるタイミングと
インスリン分泌量の関係に絡めて
間食について考案します


食事のタイミングが
インスリン抵抗性を引き起こすのに
「いつ食べればいいか?」は 
これまで注目されていなかった

インスリン分泌時間が少なければ
太らないですむし 
インスリン抵抗性は起きない

しかし 
現代の食生活では間食も増え
食べてインスリンが出ている時間
食べないでインスリンがでていない時間
のバランスが崩れている

とくに1970年代より 
インスリン分泌が多い時間が
大幅に増えてきている

1970年代よりインスリン分泌が多い時間が大幅に増えてきている ことを説明する図

インスリン分泌が多い時間帯は
18時間もあるのに
少ない時間帯は
わずか6時間しかない

おやつは
精製炭水化物が含まれていることが多いので
間食をすると常にインスリンが高くなる

「何回食べるか」は
「何を食べるか」の
倍以上も肥満に影響するので
食べる回数を減らすことが重要である

間食とインスリン分泌の関係を示す図1
間食とインスリン分泌の関係を示す図2


間食は
基本的にはインスリン分泌時間を増やすので
良くない

という指摘です

ただ 以前ご紹介したように
間食の有用性を主張する考え方もあります

昼食と夕食の時間間隔が長いときは
過度にお腹が減ってしまうので
夕食でドカ食いしてしまうことが少なくない

ドカ食いすれば 血糖値が急上昇して
インスリンが高くなり 肥満につながる

そうしたことを防ぐには 
適切な間食を摂ることも有効で
要は間食で食べる内容次第

という考え方です

間食のとり方 内容について説明する図

おやつには
炭水化物の多い甘いものは避けて 
ナッツ チーズなどの
タンパク質 脂質の多いものを食べましょう
ということになると思います


高橋医院