当院には 外国人の患者さんがよく来られます

そのなかのひとりに
お腹の調子の悪さが数ヵ月にわたり持続している
若い白人女性がおられました

腹痛を訴える若い白人女性

大きな病院で内視鏡などの検査を行っても なんの異常もありません

お話をうかがっていると
どうも過敏性腸症候群が疑われたので
お薬を出したところ少し改善が認められました


しかし 服薬開始後 ある程度時間が経過しても
なかなか症状が完全に改善しません

そこで一度
総合内科の専門医の意見も伺おうと
某病院の女性総合外来に紹介したところ
書き手の想定外のお返事をいただきました

セリアック病かもしれませんから
詳しい検査を進めさせていただきます

えーっ セリアック?

セリアック病について説明する図

お恥ずかしいことに 書き手はビックリしましたよ

あとで詳しく説明しますが
確かにセリアック病は お腹の不定愁訴が多く
日本人ではとても稀ですが
白人には比較的よくみられる病気です

なるほど セリアック病か

書き手は診断していただいた先生に敬意を表しました


セリアック病
グルテン関連疾患という大きな疾患概念に含まれる病気です

グルテン関連疾患? 初めて聞くなあ

という方が大多数だと思いますが
最近 話題になることが多い
小麦アレルギーもグルテン関連疾患に含まれます

そこで グルテン関連疾患について
説明していこうと思います


<グルテン関連疾患とは?>

グルテン関連疾患は
グルテンの摂取が発症の誘因となる病気です

グルテンを含む食物を食べると
下痢や腹痛などの腹部症状などがあらわれ
それが再現性をもって持続します

グルテン関連疾患について説明する図

グルテン関連疾患は
大きく3つのグループに分類されます

グルテン関連疾患の分類を示す図

@自己免疫病

セリアック病が代表的で
遺伝的な疾患感受性がある人が
グルテン その代謝物に対する自己免疫反応により
消化管に慢性炎症を引き起こし
栄養素の吸収不良を引き起こす病気です

お腹の症状が現れるセリアック病以外に
*皮膚症状が出現するデューリング庖疹状皮膚炎
*運動機能が認められるグルテン運動失調症(小脳失調症)
などがあります

@小麦アレルギー

グルテンを含む小麦に対するアレルギー反応が起こる病気で
特異的IgE抗体が検出されます

*即時型食物アレルギー
*小麦依存性運動誘発性アナフィラキシー
*接触奪麻疹・呼吸器アレルギー(baker’s asthma)

などの病気が含まれます

@グルテン過敏性腸炎

セリアック病 小麦アレルギーではない人で
グルテンを含む食物の摂取により
セリアック病で見られるような消化管症状などを示し
グルテン除去により症状の改善が見られる病気です

グルテン関連疾患の分類を示す図・その2

このように グルテン関連疾患は
小麦を含む食物の摂取によりお腹の症状がみられることが多く
症状が持続するので 患者さんは苦しまれることが多い

しかも なかなか診断されないことも少なくない

そんなグルテン関連疾患について説明していこうと思います
高橋医院