小麦アレルギー
グルテン関連疾患で より親しみがあるのが 小麦アレルギーでしょうたとえば日常的にこんな症状があれば あなたも小麦アレルギーかもしれません チェックリストがあるので ちょっと見てみてください <チェックリスト> こんな症状を 日常生活で自覚していませんか? *疲れやすく いつもだるい *頭痛 肩こり 関節痛がある *腹痛 下痢 便秘を繰り返す *ついつい食べ過ぎてしまう *食後に膨満感 胃もたれがある *アトピー 花粉症 などのアレルギーがある *肌荒れ 乾燥肌がある *集中できない *イライラする *生理不順 重い生理痛がある いくつかあてはまるようなら 小麦アレルギーの可能性があります <小麦に対する遅発型アレルギーで起こる> 小麦アレルギーは 食べた小麦に対してアレルギー反応が起こり 眠い だるい 頭痛といった さまざまな症状があらわれます 花粉症などの よく見られるアレルギーは 花粉などのアレルゲンに対する IgE型の抗体ができて反応が起こり 症状がすぐにでる即時型アレルギーですが 小麦アレルギーでは IgG型の抗体ができて ゆっくり反応が起こります このように症状がでるのが遅い遅発型アレルギーなので 食物摂取後 数時間 数日後に症状がでることもあり アレルギーと気づきにくいし 原因となる食物がわかりにくい ですから 隠れアレルギーとも呼ばれています
こうしたIgG抗体価が高くなる食物は 毎日食べている好物が原因のことが多く 小麦はまさにその典型例です ですから 連日食べないようにすることが必要で 量や頻度を考量する必要があります <診断> 小麦アレルギーの診断は 原因と思われる食物を2週間ほど食べないと 症状が改善するかどうかで行われます アレルギーを起こすIgG抗体の半減期が20日ほどなので その期間 抗体に結合する原因物質を摂取しないと 症状が出なくなるわけです 下痢 便秘が治った 肌がきれいになった 集中力がでてきた 頭痛 肩こりが治った アトピーが改善した 鼻炎 花粉症が改善した 疲れにくくなった 頭がスッキリした といった成果が見られ さらに そのあとに食べて症状が再出現すれば 診断はより確実になります <対処法> 基本的に 原因となる食物を食べないことです
しかし 症状の経過により たまにパンやパスタを食べても大丈夫になることがあり 体調と相談しながら 自分自身で節制の程度をアレンジしていくことができます <腸内環境の改善も大切> IgG抗体価が高値であることは 腸の粘膜が弱いことを示しているサインと考えられます 未消化の食物そのものの成分は 通常は消化管から血液内に侵入してきませんが 消化管の粘膜が弱いと 食物が侵入しやすいので血中に入りやすく IgG抗体ができやすいのです つまり 厳密にいうと 食物そのものだけが悪さをしているわけではないので その食物の摂取を抜いただけでは完全に解決せず 腸内環境を改善させて 腸の粘膜を強くすることも大切になります <食物アレルギーの診断とIgG抗体> 2015年 日本小児アレルギー学会 日本アレルギー学会は IgG抗体検査を 食物アレルギーの原因食品の診断法としては推奨しない と警鐘を鳴らしました *IgG抗体は食物アレルギーのない健常人にも存在する *抗体価は 単に食物摂取量に比例しているだけ *負荷試験の結果と一致しない *抗体価の結果により食物除去を指導すると 多品目に及び健康被害を招く恐れがある という理由からです
あくまで 食物摂取時のアレルギー症状の程度が重要 ということです
高橋医院