生活習慣病は、遺伝因子(体質)と、生活習慣の関与により、発症・進展します。
ご先祖様が生活していた太古の昔は、自然環境が厳しく飢餓が多かったので、食べた栄養素を体内にため込むシステムができました。
また、当時は塩分が大変に貴重だったので、腎臓で塩分を再吸収してため込むシステムもできました。
さらに夜は暗かったので、昼間に充分に活動して食事もとり、夜は早く寝て、寝ている間に栄養を備蓄するシステムや生活パターンができました。
これらのシステムが、遺伝的な体質として、私達の体には引き継がれています。
しかし、文明の進歩により、現代社会の生活習慣は太古の昔のそれとは大きく異なってきました。
飽食の時代で食物や塩分は豊富にあり、ジャンクフードのような過度にカロリーの高い食物を24時間いつも食べられます。
交通手段も便利になり、運動しなくなりました。
夜は照明があるので遅くまで仕事をするようになり、睡眠パターンに乱れが生じてきましたし、夜遅くにも容易に食事ができるようにもなり、寝る前にジャンクフードも食べられます。
栄養素や塩分を体内にため込もうとする体質を受け継いだ現代人が、飽食・塩分過多・運動不足・夜型生活の時代で生活し始めたら、体がどうなっていくかは自明のことです。
糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病が増えてくるのは、ある意味で当然の帰結で、逆に言うと現代社会では余程しっかりと意識していないと、簡単に肥満や生活習慣病になってしまう危険性が高いのです。