栄養の摂りすぎ、運動不足などが原因で、肝臓の内部に脂肪が蓄積してしまう病気です。ここ10年余りの研究により、脂肪肝の約20%では肝内で慢性的な炎症が持続する脂肪性肝炎(NASH)になり、厄介なことにそのうちの10~30%が肝硬変に進展し、肝細胞がんが発生することも明らかにされ、NASHは危険な肝臓病として認識されるようになりました。
肥満や栄養過多により発症するので、まさに生活習慣病の肝臓版と言えます。実際にNASHの患者さんは高率に糖尿病や脂質異常症を併発しており、NASHと他の生活習慣病が互いに影響を及ぼしあいながら進行していくと考えられます。
自覚症状は全くなく、たまたま血液検査で発見されることが多いので、健康診断などの血液検査で肝機能異常を指摘されたら面倒くさがらずに早目に肝臓専門医を受診され、NASHと診断されたら糖尿病や脂質異常症等の検査も合わせて行うことが肝要です。
生活習慣病患者さんの急増にともない、NASHの患者数は急増しており、最も注目されている肝疾患です。