バセドウ病では、甲状腺ホルモンの合成と分泌を減らす薬(メルカゾール・チウラジール・プロパジール)を内服します。1日に3~6錠から開始し、甲状腺ホルモンの値を見ながら徐々に減量していき、一定量の維持量の内服を継続します。
甲状腺ホルモン、TSH、TRAb値の動きを見ながら、内服を止められるか判断しますが、約半数の患者さんは2年間程度の内服で治療を終了することができます。しかし、内服治療が上手く効かないときは、放射線ヨード治療や外科手術を考慮することになります。
橋本病では、足りないホルモンを補ってあげるために人工合成した甲状腺ホルモン製剤(チラージンS)を内服します。最初は少量ずつ服用し、甲状腺ホルモン、TSH値の動きを見ながら徐々に増やし、その人に合った維持量を決定します。
単に足りないホルモンを補充しているだけなので、バセドウ病と異なり長期間の治療(基本的には一生飲み続ける)が必要となりますが、薬はもともと体内にあるホルモンと同じ成分なので、長期にわたり服用しても副作用は心配ありません。