女性と生活習慣病

女性と生活習慣病

女性の生活習慣病の特徴

女性ホルモンが生活習慣病から守ってくれる。

男性と女性では生活習慣病の発症の仕方が大きく異なります。

  • 男性は30歳代から発症し、年齢を加えるにつれて増加していく
  • 女性は男性に比べると若い頃の頻度は少ないが、50歳代(閉経後)から増加し始める
    こうした差異が生じる理由は、女性ホルモン(エストロゲン)が守ってくれているからです。

エストロゲンには

  • 抗動脈硬化作用(高血圧になるのを防ぎます)
  • 脂質代謝の改善作用(脂質異常症になるのを防ぎます)
  • 内臓脂肪の分解促進作用(メタボリックシンドロームや糖尿病になるのを防ぎます)
  • 尿酸の産生抑制作用(高尿酸血症になるのを防ぎます)
    といった効用があるので、エストロゲンの分泌が豊富な若い頃は、女性は生活習慣病になりにくいのです。

閉経期を迎えると生活習慣病になりやすくなるので要注意。

ところが、閉経によりエストロゲンの分泌量が極端に落ちてしまうと、守ってくれる効果がなくなり、女性は同年代の男性と比べても一気に生活習慣病になりやすくなります。

閉経後には下記のような変化が現れてきます。

  • 肥満の割合は40歳代までは20%以下なのに、閉経後は加齢とともに増加し、内臓脂肪が増えてくるのでメタボリックシンドロームになりやすくなる
  • 動脈硬化を促進する悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪が増えてくる
  • 糖尿病になりやすくなり、合併症としての動脈硬化・狭心症や心筋梗塞・脳卒中のリスクは、男性より女性の方が高くなる
  • 血圧が上昇してきて、高血圧と診断される方の数が急増する
  • 狭心症・心筋梗塞を発症する方が増え、男性に比べて重症化しやすく、喫煙・糖尿病・高血圧が危険因子となる

こうしたことから、女性は更年期を過ぎたら生活習慣病を発症しないように気をつけることが重要ですし、40歳を過ぎたら体重増加や生活習慣に気をつけ始めた方が良いでしょう。
そして、定期的に健康診断を受けられ、何か異常が見つかったら早目に相談に来ていただくことが大切です。

女性がなりやすい生活習慣病以外の病気

女性が男性に比べてかかりやすい病気には、下記のようなものがあります。

  • 骨粗鬆症
  • 甲状腺疾患 詳細はこちら>>
  • 自己免疫性疾患(関節リウマチ SLEなど)
  • 貧血
  • 膀胱炎
  • 自律神経失調症

骨粗鬆症は生活習慣病と同じで閉経後に増えてきます。エストロゲンは骨を守る働きもしてくれていたので、閉経後にはその作用がなくなり骨粗鬆症になりやすくなってしまいます。
甲状腺疾患や自己免疫性疾患は、中年以降の女性に多く認められますが、疾患の発症と女性ホルモンの直接的な因果関係があるかどうかは不明です。

こうした病気は生活習慣病とは異なり、いくら生活習慣や食生活に注意していても、仕方なくなってしまう病気です。
当院では甲状腺疾患は専門に診療しておりますし、骨粗鬆症、一部の自己免疫疾患、貧血、膀胱炎などは診療できますので、心配な方はご相談ください。

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