舌の奥で噛みしめる?
昨日2/9は 何の日だったかご存知でしたか?
ふく の日!
東京では ふぐ ですが
本場下関では ふく と濁らずに呼ぶそうです
今がまさにシーズンの真っ盛りですね!
ちなみに関西での呼び名は 「てっぽう」
毒にあたって死ぬ危険性もあるので
そう呼ばれているとか
フグ刺しは「てっさ」
フグちりは「てっちり」
なんだか てっさ てっちり の方が
美味しそうな語感がある気もします
フグの美味しさの魅力は
プリプリの弾力感と豊富な旨味
ただ正直に告白すると
弾力感はよくわかりますが
旨味の方は今ひとつ実感できていません
悲しいかな 食べなれていないからでしょうか、、、
で ふぐの旨味をいちばん味わえるのは
なんといっても てっさ だそうで
うーん お子ちゃまは
どうもガムを噛んでいるようで
しかも旨味というより
ポン酢の味を感じているような
そんなお子ちゃまでも
フグの旨味を存分に味わえる食べ方があるそうです
それは
口先でかまずに奥歯まで持っていって
舌の奥の部分で転がすように
じっくりと噛み続けること
ふーん、、、、
でも
どうしてそんな面倒くさいことをするのでしょう?
その理由はこれです
ヒトは 舌の表面に存在する
「味蕾:みらい」という感覚器で味を感じますが
甘味 塩味 酸味 苦味
を個別に感じる種類があり
それぞれの種類の味蕾が
図のように舌の特定部位に局在しています
甘味は舌先で感じやすいし
塩味や酸味は舌の脇で感じやすい
そして旨味は
舌の奥に存在する苦味を感じる味蕾によって
感じるのです
ですから てっさの旨味を存分に味わうには
舌の奥まで持って行ってそこで存分に噛みつくす
噛めば噛むほど
旨味成分のグリシンなどの
アミノ酸がしみ出してきます
なるほどね~
なんだか科学的で説得力がありますね?(笑)
そして
プリプリの弾力感をより一層味わうには
弾力感の源のゼラチン質が熱で少し固くなる
てっちり がお勧め
うーん よだれが出てきそうです(苦笑)
このプリプリ感と旨味の両方を存分に味わうには
生け締めにしてから
12時間以上36時間以内がベストだそうで
12時間より前だと
弾力感はあるけれど
旨味成分がまだしみだして来ない
(最近はやりの熟成肉と一緒ですね)
36時間以降だと
旨味成分は充分にしみ出てくるけれど
弾力感が消えてしまう
再度 納得です!
いつも思うのですが
料理って何気に科学的ですね!
今度はてっさを舌の奥で
じっくりと噛みしめてみます
でも 次に ”てっぽうごっこ” ができるのは
いつになることやら(苦笑)
味蕾については
お酒が絡んだ面白いネタがあるのですが
それは出し惜しみして
また別の機会のお楽しみに(笑)
高橋医院