例によって 
突然電話がかかってきました

先生 外人さんからお電話です!

はいはい 
ディスイズ Dr. Takahashi スピーキング ですよ

電話をかけてきたのは 
香港のかわいい女性でした

あ 別に声だけでかわいいかどうか
判断したわけではありませんよ(笑)

あとで来たメールに
添付されていたネームカードに
顔写真がついていました

でも どうして香港から当院に電話が?

香港の夜景

当院ではHPに英語の案内も載せていて
そのせいかGAIJINさんの患者さんも
度々来られますが

某国大使館の日本在留市民サービスページにも
案内を掲載させていただいているので
そこで当院を発見されたようです

お話をうかがうと 
どうも薬剤のマーケットリサーチの
依頼のようです

彼女は 
リサーチを行っている会社の下請けさんをしていて
「XX…X っていう薬なのだけど 
 発音 あってる?」
という感じで 
医薬業界にはあまり詳しくないようでした

電話をかける女性

オファーをアクセプトしてくれるなら
あなたの都合のいい時間に
担当者から電話してインタビューしたいのだけど
大丈夫かしら?

面白そうなので OKしてみました

そのあと何通かメールが来て
リサーチを行っているのは
ロンドンに本社がある会社で
インタビューは 
ニューヨークの担当部門からの電話で
行われるようです

いかにも欧米らしく
メールには契約書が添付されていて
そのなかで 
特定の製薬会社との利益相反がないか
質問されています

最近は日本の学会でも発表する際に
利益相反の有無を
提示するようになりましたが

十年くらい前はそんな習慣はなく 
その頃にアメリカの学会で発表したとき
ディスクローズすべきことはないことを
最初のスライドで示せ
とのお達しがあり

ディスクローズってなに? 
と面食らったものです(苦笑)

ディスクローズについて説明する図

製薬会社と
なんらかの利益が絡む関係があった場合
発表内容にバイアスがかかる可能性があるので
あらかじめ発表前に関係(利益相反)の有無を
示すわけですが

薬品に関するアンケート調査でも
そうしたバイアスがないことを
確認されたわけで

いかにもアメリカ! という感じですね(笑)

さて 指定された時間の当日 
ちょっと緊張して電話を待ちました

なんとその30分前に 
香港の彼女からコンファームの電話があったので
えっ そんなに大掛かりなことなの?と
余計に緊張してしまいました(笑)

で 定刻通り NYから電話がかかってきて

ニューヨークの風景

インタビューアーは
残念ながら若い男性でしたが(苦笑)

なんとインタビューは 
1時間も続いたのですよ!

しかも電話で 
普通にしゃべってくるので
正直言って1/3~1/4くらいは 
ちょっと聞き取れず意味不明(苦笑)

多分 
こんなことを聞いているのだろうな 
と思って解答すると

その予想が当たって
まっとうな返事ができた場合は
電話の相手は got it と答えてくれますが

ニコニコしてgot it と答える男性

とんちんかんな返事をしたと思われる場合は 
しばし沈黙が流れます(苦笑)

沈黙されると 
あ 失敗したな という感じ(再苦笑)

インタビューアーさんも 
困ったな と思っていたかな?(再々苦笑)

困惑した表情で電話でしゃべる女性

こちらも 質問された薬剤について 
それほど詳しいわけではなく

しかも そのうちのいくつかは
日本では未発売なので
知っている知識を総動員して答えていたら 
汗をかいてきましたよ(苦笑)

でも 最後の方で
あ 多分彼はこんな答えを期待しているかな? 
と思う質問があったので

期待通りと思われる答えをしたら 
予想通り妙に盛り上がり
しばしその話題に花が咲いて 
円満に幕を下ろすことができました

満足そうに電話する男性

うひゃー 疲れました!(笑)

はたして 
得体のしれない東洋人医師へのインタビューは
役に立ったのでしょうか?(笑)

疲れ果てて電話機を持つ人

インタビュー後すぐに
バイト代の振り込みの知らせがメールできましたが
予想より時給は良かったです(笑)

夏真っ盛りの頃でしたから
最初の電話のやりとりで
 
香港の彼女に
「香港は暑い?」と聞いて 
しばし雑談をしたのですが

彼女からのバイト代振り込み通知のメールの最後には
「Tokyoも暑いの? 素敵な夏休みを!」
と書かれていました

こんな なにげないやり取り 
書き手は結構好きなのですよ(笑)
高橋医院