肝臓に腫瘤がある?
健康診断で 血液検査以外で肝臓に異常が指摘されるのは エコー(超音波)検査で 肝血管腫 肝のう胞が指摘された場合が多いです 画像検査で肝臓に腫瘤が認められますので 精密検査をお受けください D判定! などと書かれると びっくりして心配になりますよね 当院にも 心配して来られる方がたくさんおられます そこで 肝血管腫 肝のう胞について説明します <肝血管腫> 肝血管腫は 肝臓にできる良性腫瘍で 成人の1~5%に認められるほど 頻度の高いものです 女性にやや多いとい言われていますが これには女性ホルモンのバランス乱れが 関与すると推察されていて 出産経験の多い人の方がなりやすいと言われています 肝臓はもともと血管が豊富な組織ですが その毛細血管の一部が増殖して 腫瘤のようになります あくまで良性腫瘍なので がんとは異なりますので安心してください ほとんどの場合 たまたま健康診断の画像検査で見つかり 自覚症状もありませんので そのまま治療をせずに経過観察をしてくことになります また 時間経過とともに 大きくなったり 数が増えることも ありません エコー検査では 肝血管腫は白い丸い塊として見えます 血流がとても豊富な腫瘤なので 造影剤を用いた腹部CT検査や MRI検査で 肝がんとの鑑別することができます 肝がんは数カ月で大きくなりますが 肝血管腫は良性なので 大きくなることはありません したがって 検診で指摘されてから3ヵ月後くらいに 念のためCT検査やMRI検査を一度は行った方が安心です <肝のう胞> 肝のう胞は 肝臓のなかに液体のたまった袋ができるもので ほとんどの場合は 無症状で健診などのエコー検査で発見されます のう胞は 1個の場合も複数の場合もあり その大きさは数mmから10cmを超えるものまで さまざまです 50歳以上の女性に多くみられ エコー検査を受けた人の約5~20%に発見されると 報告されています ほとんどが先天性で良性の病気で 原因は不明です 基本的に大きくなったり 数が増えたりすることはありませんし がん化することもありませんから 経過観察や治療の必要はありませんし 一生悪さをしないまま過ごします 但し 大きさが10cmを超える場合や かなりたくさんある場合は 念のために 年に1回ほどエコー検査で 経過観察をした方が安心です ということで 検診のエコー検査で 肝血管腫や肝のう胞を指摘されても むやみに心配したりあわてたりする必要はありません 但し 肝がんとの鑑別は重要ですから 結果を放置せず 肝臓専門医のいる医療機関を 受診されることをお勧めします
高橋医院