新型コロナ・ステイホームでの熱中症予防
4つの学会が共同発表した 「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた 熱中症予防に関する提言」 の紹介を続けます <体が暑さに慣れていない この時期が危険です> ソーシャルディスタンスに注意しつつ 室内・室外での適度な運動で 少しずつ暑さに体を慣れさせましょう 毎年 気温が熱くなり始める時期 体が慣れきっていない時期に 熱中症の発症が増加し 梅雨明け後の蒸し暑い日などは 特に要注意です そう 危ないのは この1~2週間です! 暑い日が続くと 体が次第に暑さに慣れて 暑さに強くなります この慣れは 発汗量や皮膚血流量の増加 汗に含まれる塩分濃度の低下 血液量の増加 心拍数の減少 などとして現れますが こうした暑さに対する体の適応は 気候の変化より遅れて起こり 気温の変化から数週間ほどしてから ゆっくり体が慣れてきます 今年は コロナ禍の外出制限により 在宅時間が長くなり 十分な運動ができないことが 暑さへの順化を遅らせる一因になると想定され 熱中症の発症率を増加させる懸念があります 対策としては まずは 自宅の中で活動量・運動量 を 増やしてください 座ったままでなく 立ち上がって足踏みをする スクワットをする 体操をするなど 自宅でも活動量を増やすことができます 特に高齢者の皆さんは 生活習慣病の悪化防止や 筋力の衰えを予防する意味でも重要です また屋外での運動も 咳や発熱の症状がないことを確認したうえで 人混みを避け 一人や限られた人数で散歩するなど 暑さへの順化を獲得するよう取り組むことが重要です <熱中症弱者への注意> 熱中症弱者 (独居 高齢者 日常生活動作に支障がある方など)の方には 特に注意し 社会的孤立を防ぐべく 頻繁に連絡を取り合いましょう 高齢者では 日常生活のなかで起こる非労作性熱中症が多く 屋内での発症頻度が増加しています 非労作性熱中症は 日常生活の中で徐々に進行し 周囲の人に気付かれにくく 対応が遅れる危険性があります コロナ禍における 外出自粛に伴う屋内の長時間滞在や ソーシャルディスタンスに配慮するための 見守り頻度の減少が 熱中症の発症リスクや重症度を 上げてしまうことが危惧されます したがって 高齢者や独居の方に 声掛けを頻回に行い 孤独を防ぐことが重要です 高齢者 見守りが必要な方 その周りの方 皆さんでお互いの安全を確認しましょう 具体的には *家族や友人と電話で話し 元気なところを確認する *メール SNS などを活用し 頻回に体調を確認する *身体の異常があったら声を掛けられるよう 連絡先を控えておく 教えておく といったことを行いましょう <日頃の体調管理を行い 観察記録をつけておきましょう> 体調がおかしいなと思ったら 地域の「帰国者・接触者相談センター」や 最寄りの医療機関に 連絡・相談をしましょう 一方 熱中症患者さんも 上記のような高熱やだるさを訴えることがあり 新型コロナウイルスとの鑑別が 難しい可能性もあります 医療機関では 新型コロナウイルスの疑いがあるか それとも熱中症が疑わしいかは 発熱の期間や 呼吸困難出現の有無など 今までの体調の変化や 接触歴の有無からも 判断されます そうした情報を 医療者に的確に伝えるためにも 日頃から 体調管理を行い 観察記録をつけておくことが大切です
高橋医院