最強の牛肉 頂上決戦

続いての比較は 熟成肉 vs 若肉 です

熟女派は フランス

フランスは伝統的に 
ステーキといえば 熟成赤身肉

熟成赤身肉の写真

熟成とは 肉を低温で乾燥させ 
1ヶ月ほど寝かせることです

肉を低温で乾燥させ  1ヶ月ほど寝かせている風景

前回もご紹介しましたが

こんな風に 
温度 湿度が厳重に管理された熟成庫のなかで
肉塊は じっくりと寝かせられます

じっくりと寝かせられる肉塊

肉から余分な水分が抜け
酵素の働きで肉質が柔らかくなり
その上 うまみ成分が増えてきます

うまみ成分がが増えるメカニズムを示す図

香りがよく 柔らかい
甘味感を感じる
肉の芳醇な香り 
しっとりとした食感が味わえる

ナッツのような 熟成香も強く
これが 熟成度を測る目安にもなります

街のいたるところに 
熟成肉専門店があり

熟成肉専門店の外観

ショーウインドウには
赤黒く変色した熟成肉の塊が
ディスプレイされています

ディスプレイされた赤黒く変色した熟成肉の塊

フランスでは 
17世紀から肉の熟成文化が始まり
現代の温度・湿度管理により 
さらに熟成技術が向上しました

つるされた肉塊

肉の熟成師 
という国家資格もあるそうです

しっとりと熟成したお肉

しっとりと熟成したお肉

ステーキに焼き上げると 美味しそうです!

焼き上げられた美味しそうなステーキ

最も熟成に適したお肉を提供するのは 
バザス牛

バザス牛の姿

4500頭しかいません

もともと使役牛なので 
肉質がしっかりしていて
野山に放って 存分に運動させ 
筋肉をさらに鍛えます

野山で運動させられている牛の姿

牧草に含まれる良質なタンパク質が 
豊富な赤身肉をつくります

発酵させたトウモロコシを飼料に加えることで
少しサシが入るので 
しっとりとした食感 味わいがでます

飼料を食べている牛

しっかりと4年間育ててから 出荷します

和牛が2歳半~3歳で出荷されるのとは大違いです

ステーキの旅で登場したパリのお肉屋さん
4歳以上の経産牛でないと 
熟成に向かないと言っていましたね

現地で味わった日本人は
本マグロのような味わいがする 
と言っていました

熟成されたバザス牛のステーキ


一方 ギャル派は アルゼンチンです

アルゼンチンの 
一人あたりの年間牛肉消費量は 
日本の10倍の60Kg

楽しそうにステーキを食べるアルゼンチンの人たち

街のいたるところで 
豪快に肉が焼かれています

街のいたるところで豪快に焼かれている肉

そんな彼の地では 
肉を全く熟成させず 
新鮮なまま食べます

新鮮な肉の写真

カウボーイが 
牧場で牛を丸焼きにして食べた習慣から 
生まれた伝統とのこと

新鮮な肉の美味しさを力説する人

若いお肉は やわらかく みずみずしく 
肉本来の味がするそうです

やわらかく みずみずしそうな肉

2歳のアンガス牛

とても柔らかく 水分たっぷりで みずみずしい

2歳のアンガス牛の肉

フランスの熟成肉とは 全く異なります

弱火で1時間ほどじっくり焼いて 
削るように薄く切って食べます

削るように薄切られた肉

コンソメのような旨味が 
噛みしめるほど出てきます

塩 コショウの味付けも一切せず
肉そのものの味だけを楽しむそうです

おいしそうな肉塊

アルゼンチンの牛を育てているのが 
大草原の パンパ

日本の国土の1.5倍の広さがある 
世界有数の草原地帯で

ここで 5700万頭もの牛が飼育されています

東京ドーム750個分の広さに 1000頭の牛

パンパの位置を示す地図

ライグラスと呼ばれる 
イネ科の栄養価が高い牧草を食べ
広大な敷地でノビノビ運動するので 
牛はストレスなく育ちます

放牧されている肉

そんな環境で飼育されているので 
成長が速く
だから 2歳がいちばん美味しい

それ以上成長すると 
肉質が硬くなり
もっと若いと 
柔らかいだけで美味しくないそうです

アルゼンチンで若い肉が好まれるのは 
そうした理由があるようです

ただ 残念ながら
アルゼンチンのナマ肉を 
日本に輸入することはできないので
ギャル肉を楽しむことはできません

はるか南米まで 
食べに行くしかないのかな(笑)


高橋医院