肉もどき・代替肉の話題を提供してきましたが
代替肉の将来はどうなのでしょう?

<将来は決してバラ色というわけでもない?>

アメリカを中心に代替肉が注目されていることは
間違いありませんが

調査によると
代替肉を年間5回以上購入した人は 
27%にとどまっています

また 代替肉の需要は急速に伸びているものの
レストランで注文されるタンパク源に占める割合は
0.1%にも達していません

レストランは 植物肉の提供によって
ヴィーガンなどの来客数を増やしたい考えですが
それらが従来の肉に取って代わることは
すぐには起きないだろうとの見方が多いようです

さまざまな代替肉

代替肉の価格が高く 
高級品であることも問題です

レストランの代替肉の平均価格は
過去2年間に1ケース当たりで
29%上昇し80ドルとなっていて
その他のカテゴリーの商品よりも
急速に値上がりしています

スーパーマーケットの肉売り場では 
肉1gあたり
植物肉は10セントで販売されていますが
牛肉はその半額以下の同4セント
鶏肉 豚肉 七面鳥は同2セントで
植物肉は高いのが現状です

植物肉の価格が高いことを示すグラフ

健康や社会的配慮といった観点から
代替肉は今後も成長を続けるでしょうが
伝統的な肉を消滅させることにはらないだろうと
多くの人たちが考えているようです

将来は100%バラ色 
というわけではないようです


<従来の食肉業界の反応>

世界中で家畜産業に携わる人たちは億単位
といわれていますが
それらの人の仕事が失われる可能性があり

食肉業界は
代替肉と従来の畜産物の違いを明確にする動きを
見せています

アメリカでは
牛肉産業グループの
全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)が
「動物性ゼロの肉」には
“meat” の表示を禁止しようと働きかけており

全米肉牛生産者・牛肉協会の意見広告

EUでも
代替肉に対し
“bacon” “chicken nuggets” “hamburger”
などの表示を規制させようとしています


<経済界からの熱い期待>

それでも 経済界からは
代替肉業界の発展に期待が高まっています

アメリカでは2019年5月に
ビヨンド・ミートが
ニューヨークのナスダックに上場し
株価は高値を維持し大きな注目を集めています

株価が高値を維持していることを示すグラフ

ビヨンド・ミートは10年前に創業され
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツや
俳優のレオナルド・ディカプリオらが
上場前に出資したことでも話題を呼びました

出資するビル・ゲイツやディカプリオ

「ビヨンドバーガー」や「ビヨンドソーセージ」
などの商品を展開しており
世界中の5万3000以上の
小売店 レストランで販売されていて
2019年第2四半期の売上高は 前年同期の4倍です

代替肉事業は成長市場と見做されていて

アメリカでは今年5月25日までの1年間に
植物肉の売上高は 前年比で10.3%増加し
140億ドルとなりました

一方 食肉は同2.3%増の900億ドル

売上高の増加を示すグラフ

代替肉の世界市場は
2017年から2022年にかけての年平均成長率は
6.7~7.7%と推測され
売上高は 10年後の2029年には
現在の10倍の1400億ドルになるとの
推測もあります

成長率を予測するグラフ

今後 代替肉の市場は日本でも拡大し
2022年には254億円にのぼると予想されていて
このまま成長が続けば
10年で4兆円のマーケットになる可能性があります


<将来のお店の肉売り場では?>

世界経済フォーラムは
代替肉は
温室効果ガス排出量の大幅な削減に
つながる可能性があるとして
今後の増加する人口の
タンパク質需要を満たすために
非常に重要であると報告しました

また 全米科学アカデミーは
培養肉は 
今後バイオテクノロジー分野で
もっとも成長するだろうと
報告しています

やはり 
代替肉への期待は大きいものがあります

今後10年間で代替肉の市場は
アメリカでは10% 
全世界では23%に成長すると
見込まれています

2019年現在
250以上の世界の大手企業
非営利団体 研究機関などが
代替肉の開発 投資 販売を行うようになっていて
まさに「持続可能な食品の未来」が
期待されています
国家レベルで 
この分野に支援する動きもあるようです

では 将来のお店の肉売り場の様子は
どのようになっているのでしょう?

2040年の肉市場では
代替肉の占める割合は60%になると予測され

内訳は 
植物肉25% 培養肉35%
とされています

将来の代替肉の占有率を示すグラフ

一方 畜産由来の肉の割合は
40%にまで低下するだろうと推測されています

本物の牛さんのお肉の方が
レアで高価な時代がやってくるかもしれませんね
高橋医院