腸内細菌叢って何?
その重さは 1.5Kg (肝臓の重さとほぼ同じ)
その数は 100兆個 (ヒトの細胞の数の10倍)
その遺伝子量は 100万個 (ヒトの遺伝子量の100倍)
その種類は 500~1000種
これが「腸内細菌叢」です
腸管(主に大腸)のなかでは
こんなに多くの種類の こんなに沢山の細菌が
生活しています
どんな種類の細菌が
どれくらいの量存在しているかは
人によって異なります
この腸内細菌の存在パターンを
腸内細菌叢と言います
沢山の細菌がお花畑のように存在しているので
腸内フローラとも呼ばれます
腸内細菌叢が様々な病気に関連していることが
ここ5年余りの研究により次々と明らかになり
今や医学全般における
最もホットなトピックになっています
腸内細菌叢と病気の関連は
以前から興味がもたれ研究されていましたが
なかなか成果が得られませんでした
というのも
これまでの研究方法は
ウンコをほぐして
遠心分離や濾過をして分離された細菌成分の培養により
腸内にどんな細菌がいるか解析していました
はっきり言ってちょっと汚いし臭いし
時間も手間もかかる大変な作業です
そしてこんな大変な研究をもってしても
腸内細菌叢の20~30%程度しか
解析することはできませんでした
しかし遺伝子解析の技術が
ここ10年ほどで飛躍的な進歩を遂げ
ウンコに存在している全遺伝子を網羅的に解析することが
次世代シーケンサーなどの先端機器を用いて
出来るようになりました
ウンコは腸内細菌叢の塊ですが
そのウンコの中の全ての遺伝子を
16SリボソームRNA遺伝子という
個々の細菌の特異的マーカーを用いて解析し
ウンコの中に
どんな種類の細菌がどれだけ存在しているか
いっぺんに全てわかるようになったのです
こうした方法を用いて
太った人と痩せた人
健康な人と病気の人
それぞれの腸内細菌叢のプロファイルを
比較することが可能になり
さまざまな興味深い事実が明らかにされ始めました
どんなことが明らかにされたか紹介する前に
次回は腸内細菌叢についてもう少し詳しく解説します
高橋医院