ひとり夜遊び
夜8時過ぎ ひとりで遊びに出かけます 大人ですから 夜遊びしても おこられません?(笑) 向かった先は 有楽町の 名前を聞いたことがない映画館 どうしてそんな時間から 映画を観に行ったかというと 上映開始時間が夜8:50だったから 前の回の上映に 間に合わなかったのでは ありません その映画は 毎日 夜8:50から1回だけの上映なのです ちなみに 東京でその映画を上映しているのは 有楽町と渋谷の2か所だけで 渋谷の映画館の上映は 午前11:55と午後16:35の2回だけ 普通 映画のロードショーといえば 都内数か所の映画館で 1日4~5回は上映していますよね こんなに上映館も1日の上映回数も少ない映画 いったい どんな映画なのでしょう? それから 書き手がひとりで出かけ理由は 糖尿病専門医さんに そんな映画は興味がないとフラれたから うーん ますます どんな映画なのでしょう?(苦笑) それよりも いったい何人くらい 観に来ているのでしょう 書き手は そちらの方が興味津々です(笑) で お約束のビールとポップコーンを購入して 場内に入り 観客の数を指折り数えると ひとり ふたり、、、 指は全部折らなくてもすみました(笑) しかも ほとんどが 書き手と同じ ひとり夜遊び組 男性が6~7割くらいかな 年齢層は比較的高く あまり若い人はいません さて そんな人達が見ようとしているのは いったいどんな映画かというと テレンス・マリック監督の最新作 「聖杯たちの騎士」 この映画監督の名前を ご存知の方は少ないでしょう だって 40年を越えるキャリアーなのに 実際に監督した作品は 今日の映画が7本目 すごい寡作 誰も知らないはずです(笑) ハーバードの哲学科を首席で卒業して オックスフォードの大学院に留学したけれど 指導教授と喧嘩して中退して アメリカに戻って フリーのジャーナリストを経て 映画業界に入ったという 異色の経歴の持ち主で アカデミー賞などの世界各国の映画コンペに 何度もノミネートされ ベルリンやカンヌでは受賞もしましたが 一度も授賞式に出席したことがない 要するに 変わり者さんです(笑) 書き手は 前作のトゥー・ザ・ワンダーで マリックワールド初体験でしたが とにかく その映像の美しさに圧倒されました もちろん ストーリー展開や(とらえどころがない) 脚本も異色で(ささやくような独白セリフが多い) 面白かったのですが やっぱり凄かったのは 映像美 特に光の描き方 ブルーアワーの描写がすごい びっくりしました そんな マリック監督が バッドマンのクリスチャン・ベイル ブラックスワンのナタリー・ポートマン のキャストで ラブストーリーを撮った というので ひとりで夜遊びに出かけたわけです クリスチャン・ベイルも ナタリー・ポートマンも 書き手の好みの俳優さんですから 楽しみにしていました で どうだったかというと うーん あんまり面白くなかったです ハリウッドで成功した脚本家のベイルが それまでの享楽的とも言える 自分の人生の過ごし方に 疑問を感じ自分探しの旅に出ようとする その過程で ケイト・ブランシェット ナタリー・ポートマンをはじめとする 6人の女性たちとそれぞれ共に時を過ごす その一方で 父親 弟との心理的葛藤が 繰り返し描写される まあ 思い切り端的に言えば そういうお話ですが 女性との交わりは なんだか それぞれが中途半端なのですよ 特に ナタリー・ポートマンの描き方は 薄っぺら過ぎです そして 父親や弟との葛藤は ちょっとしつこい 表現が不適切かもしれませんが マスターベーションを見ているみたい 映像も ときどきハッとする美しいシーンが ありましたが 前作ほどの感動を覚えることは ありませんでした 終始一貫して 主人公のささやくようなセリフで 物語が語られていくスタイルは 前作のトウー・ザ・ワンダーと同じでしたが ストーリーも 映像美も 音楽も 前作の方がはるかに優れていたよう に思いました うーん、、、 この映画のことを知った ニューズウイークの記事では 「孤高の監督が陥った 深遠なるマンネリ」 といった表現を使い 揶揄するような評論がされていましたが 確かに そんな感じかもしれません 深遠なるマンネリか、、、 さすがにプロのライターは 適切な言葉を選ぶものです あ でも スラムダック・ミリオネアや 恋のロンドン狂想曲にでていた インド人女優のフリーダ・ピントは 相変わらず可愛かったです(笑)
高橋医院