マルクス・ガブリエルの紹介をしてきましたが
「毒を食らわば皿まで」で(笑)
時系列が前後して恐縮ですが もう少し彼の話を続けます

ちなみに 彼の著著の
「新実存主義」
「なぜ世界は存在しないのか」
両方とも手元にあるのですが まだ読んでいません(苦笑)

そんな書き手の積読を あざ笑うかのように
またNHKさんが2020年春に
前回の日本に続き
今度はニューヨークで彼が語る番組を放送しました

欲望の時代の哲学 2020

自由と民主主義の実験場のニューヨークで
ガブリエルが混迷の時代を
さまざまな専門家たちと対話を通して思索するドキュメント

うーん 丸山さんの後追いが続きます(再苦笑)

ガブリエルがニューヨークで語る社会的背景は

静かにテクノロジーが先鋭化 進行し
コンピューターが隅々までの浸透する社会

その利便性と裏腹に
無意識のうちに人間の主体性が喪失し
人間性が大きな脅威にさらされている

人間の自由 個性が完全に失われ
自らが単なる消費の対象になってしまうのではないかという
無力感にあふれた社会

そんな社会で 哲学は何ができるか?

哲学は
時代に巻きこまれることなく 物事の理解を助けられる
物事の本質を見極めるための認識のツールである

哲学者の仕事は
ある概念が本来何であるか という問いに答えることで
時代の問いに答えることができる

自由とは何か?
民主主義と どのように関係しているか?

なぜ民主主義は 世界中で脅威にさらされているのか?

哲学は 社会的 政治的改革のツールとなり
人がいかにしてより良い条件で生きていくべきかを
理論に基づいた処方箋を正確に提示でき
人々の認識を変え 社会を変革させることができる

ガブリエルによると ここ数年
人々が社会改革のための哲学の重要性
について尋ねてくる機会が増えているそうです

そして 自らのテーゼである新実在論を
以下のようにアピールします

新実在論では
全ての対象を包括するものは存在せず
総体としての世界を認めない

あるのは常に開かれた関係性のみ

実存主義的に
生きる意味を自らつかみ取る感覚を大事にし

構造主義的に
世界を開かれた関係性のネットワークとして眺める

実存主義と構造主義の最も良質な可能性を組合せる試みである

それは
ヨーロッパの大陸合理論 対 アメリカ・イギリスの経験論
の違いを超える
普遍性のあるグローバル哲学であり

西洋と東洋の違いを克服する
あらゆるところから良いものを全て取り込む
普遍主義でもある

やっぱり 面白そうじゃない!(笑)

では ガブリエルがニューヨークで何を語るか
聞いてみることにしましょうか

ちなみに彼は
日本で培われた
一神教にとらわれない哲学 思想的伝統をベースとする
独自の資本主義スタイルを
アメリカ資本主義を克服する手段として注目しているそうです

となりの芝生は青いよね?(笑)
高橋医院