夏休みも終わり 
今日から通常の診療に戻りますが

この夏はあまりに暑かったので 
診察室での服装を
ノーネクタイのクールビズスタイルに
させていただいていました

何をいまさらクールビズ宣言? 
と思われるかもしれませんが

「外来をするときはネクタイに白衣」という
呪縛(?:笑)のようなものがあって

医者になってからずっと 
基本的に外来はネクタイでした

最近の若いお医者さんたちから見たら
何と時代錯誤的な感覚!
と笑われてしまうかもしれません(苦笑)

書き手が医学生の頃
「臨床医は見た目だ!」
と堂々と言い放たれる偉い先生がおられて

外来をするときは見た目も大事かな? 
と思っていたわけです


日本で外来受診された患者さんは
医者のどういうところを見て 
信頼がおけるか判断しているか?
を調べた研究があります

それによると
患者さんが評価のうえで重要だと思うポイントは

いちばんが 話し方(5点満点の4.7点)
ついで まわりからの評判(4.1点)ときて
3番目が 身だしなみ(4点)
以下 年齢(3点) 肩書き(3点) 性別(2.8点)
と続きます

うーん やっぱり「見た目・身だしなみ」は
重要じゃないの?(笑)


アメリカの外来受診患者さんに
医者の身だしなみはどれくらい重要だと思うか?
と尋ねた研究では

男女を問わず
重要または非常に重要と答えた人が7割を越えていました

医者の身だしなみの重要性を示すグラフ

再度 やっぱり 見た目は大事じゃないの?(再笑)

では 
医者がどんな格好をしていたら信頼できますか?
次のなかから選んでください と問うてみます

評価の対象となる格好は
・白衣
・スクラブ(手術着のようなもの)
・白衣なしのネクタイ姿(セミフォーマル)
・白衣もネクタイもないスマートカジュアル
・本当にラフなカジュアル
の5種類

さまざまな衣装を着た医者の姿

皆さんなら
どんな格好のお医者さんに診てもらいたいですか?
どんな格好の医者には診てもらいたくないですか?

日本の患者さんの答えは 
医者の性別 患者さんの年齢を問わず
1位が白衣姿 2位がスクラブ ビリがカジュアル

3位4位は男性医師と女性医師で異なり

男性医師は 
スマートカジュアル セミフォーマルの順

女性医師は逆で 
セミフォーマル スマートカジュアルの順

どうやら白衣の威力は絶大のようです


この傾向はアメリカでも同じで
白衣 スクラブ セミフォーマル カジュアル
の順番でした

スクラブの人気が高いのは
洋物和物を問わず最近の医療系TVドラマに
スクラブ姿の医者が
たくさん出ているからでしょうね

スクラブの評価は若年層で高く 
高齢層ではやや低いことからも
そうした影響が読み取れます

そうか やっぱり患者さんは 
きちんとした白衣姿のお医者さんが信頼できる
と思われているようですね

確かに白衣には 
医者のシンボルのようなイメージがあります

書き手も実習で初めて病棟にでたとき
白衣に袖を通して 
とても緊張したのを覚えています

白衣にネクタイ姿の医者

但し 小児科ではお子さんが怖がられるので
敢えて白衣を着ない先生もたくさんおられますし

病棟では白衣やネクタイは細菌が付着しやすいので
好ましくないとの考えもあるようです

医者の格好
どうでもいいようでもあり 
どうでもよくないようでもあり(苦笑)

それにしても 
以前から思っているのですが
クールビズが定着して 
ネクタイ業界は苦戦しているのかな?


高橋医院