群発頭痛
群発頭痛は 1000人に1人程度で 頻度としてはいちばん少ない頭痛ですが 痛みはいちばん激しく 発作時は 痛みのためにじっとしていることができず 頭部を叩いたり 壁や柱に頭を打ちつけたり 頭を抱えて部屋中を動き回り 日常生活への障害は 片頭痛よりもさらに深刻です 男性の患者さんは 女性の3~7倍ほど多く 20~40歳代が好発年齢です 1年のうち 1ヶ月~1ヶ月半ほどの期間 毎年ほぼ同じ時期に 毎日のように発作が起きますが(群発期) それ以外の期間(寛解期)は 全く正常です 発作は睡眠中 明け方におこりやすいですが 1日に1~8回おきることもあり 1回の発作は15~180分ほど持続します 群発期に飲酒すると 飲酒後40分~1時間ほどで発作が起きやすいですが 群発期でなければ 飲酒しても発作はおきません 患者さんは ヘビースモーカーが多いとされています <分類> @寛解期の有無による分類 #反復性群発頭痛 80%ほど *群発期と群発期の間に 1ヶ月以上の寛解期がある #慢性群発頭痛 10~15%ほど *寛解期がないか あっても1ヶ月未満 @発作時間による分類 #発作性片側頭痛 *2~30分の短時間の発作が 1日5回以上 頻回に起こる #短時間持続性片側神経痛様頭痛発作 *1秒~10分と持続時間は短い #持続型片側頭痛 *3か月以上持続する <症状> @痛みが激しい *片側の目の奥をえぐられるような 焼けるような 短時間の激しい痛み *夜間または睡眠中に起こりやすい @同じ側の顔面の自律神経発作をともなう *目の充血 涙 *まぶたがはれる 下がる *鼻水 鼻づまり *顔やひたいから汗が出る @特徴的な所作がある *落ち着かない *歩き回る 体を前後に揺する <治療> @急性期の治療 *片頭痛にも使用するスマトリプタンの皮下注射 *大量の酸素吸入 @予防治療(群発期の期間中 寝る前に飲む) *反復性では ベラパミルとプレドニゾロンの併用 ・ベラパミルは効果発現まで1週間かかる ・プレドニゾロンは60-100mgを5日間連続服用し 10mg/日漸減して中止 *慢性では ・炭酸リチウム バルプロ酸 ガバペンチン など <日常生活で気をつけること> 飲酒が発作の誘因となるため 群発期には禁酒が必要になります また タバコも誘因となり得るので避けて お風呂には入らず シャワーで済ませてください 群発頭痛は比較的珍しい頭痛ですが 症状が激しく 毎日のように発作が起こるため 頭痛のために生活の質が著しく低下してしまいます しかし きちんと診断して的確な治療を行えば たとえ群発期でも症状を コントロールすることが可能です この頭痛は これまでに解説した緊張性頭痛や片頭痛とは異なり 専門家による診断や治療が必要になりますので 心配な方はご相談ください
高橋医院