香水

書き手は 
意外に嫌いではありません

香水を嗅ぐ鼻のアップ写真

男女を問わず 
TPOにマッチした
素敵な香りを纏っている方に遭遇すると
なんだか幸せな気分になります

でも
香りが置かれた状況に
マッチしていない場合は
ちょっと閉口してしまうのも事実です(笑)


そんな香水に関する
面白い記事を立て続けに読みました


ひとつは 
朝日新聞に出ていた記事で
バブルの頃に大流行した
 プワゾン という香水を
懐かしむ内容です

1987年(まだ”昭和”です!:笑)

書き手は 
研修医生活を終えて大学院に入り
日々 朝早くから夜遅くまで
マウスさんと格闘していた頃ですが

確かにその当時 
かなり濃厚で強烈な香りがする
「プワゾン」という
名前も刺激的な香水が
大流行していました

あの香りは 本当に強烈でしたね!(笑)

プワゾンのボトル


発売元のクリスチャン・ディオールによると

あの個性の強い芳香は
コリアンダー チュベローズ オポポナックスなどの
植物に由来するそうです

コリアンダー以外の植物は
全くイメージすることができません(笑)

もともと
派手な香りよりも
おとなしい香りを好む日本人にしては
珍しく濃厚な香りの香水が
爆発的に売れたことは

日本の香水ビジネスの歴史上
エポックメイキングな出来事だったそうです

当時は こうした現象に対し
日本人の嗅覚が
食生活の西欧化とともに
変化してきたのではないか?
と まことしやかに議論されていたそうです


しかしその後
あのような濃厚で刺激的な香りの香水が
日本で再びヒットすることはありませんでした

日本人は 元来
香りに対する繊細さを有していて

体臭に響きにくい食文化
湿度の高い気候
周囲への気遣い などから
強い香りの香水は
それほど好まれなかったとのこと

そもそも香水は

公衆衛生設備が整備されず
街中に臭いにおいが立ち込め
肉を中心にした食生活で強い体臭を発するのに
風呂にも入らない

中世の汚い街並みの様子を描いた絵

そんな昔のヨーロッパの環境が
臭い消しのために生み出した
産物でもあるので

日本でそれほど流行らなかったのも
納得できます


で そんな日本で
どうして1987年頃に
プワゾンが流行したかというと 

ひとつは
まさに華やかだったバブル経済の影響が
あったのでしょう

濃厚で刺激的な香りは
空前の好景気に浮かれた世の中で
毎夜のごとく繰り広げられていた
宴の雰囲気づくりに
十二分に貢献したと思われます

バブルの頃のパーティーの様子

一方で 
香水の世界の流行は
10~20年程度の振れ幅で

濃い香りとドレッシーな装いと
軽い香りとカジュアルな装いを
行き来するそうで

日本もある程度その影響を受け
派手な時代状況もあいまって
初めての濃い香りが受け入れられて
注目されたのかもしれません

そう考えてみると

経済状態などの社会的要因が
香水の流行に及ぼす影響は
意外に大きいのかな?

そういう研究って 
ないのでしょうか?(笑)

ところで

嗅覚は
記憶に関与する脳の部位を直接刺激するので
匂いを嗅ぐと昔の記憶が蘇ることが少なくない
と言われます

よく例えに引用されるのが
プルーストの「失われし時を求めて」のなかで
主人公がマドレーヌの香りをかいで
子どもの頃を思い出す場面ですが

プルーストの「失われし時を求めて」の本とお菓子のマドレーヌの写真

実は書き手も 
そうした経験をしたことがあります

まだ小さい頃に
外国に連れて行ってもらったことがあるのですが

大学の卒業旅行で
15年ぶりぐらいに外国に行って
トランジットの空港で
周囲の匂いが鼻に入ってきた途端
小さい頃の旅行の光景が蘇ってきたのですよ

それ以来
視覚や聴覚とは異なる 
嗅覚の偉大さ(?:笑)を
実感している次第です

香水に関するもうひとつの記事は 
次回ご紹介します

 

高橋医院