患者さんが自覚される 胃食道逆流症 逆流性食道炎の代表的な症状は

胸やけ と TVコマーシャルで連呼されていた 呑酸  です

<食道に関連した症状>

胸やけは
胸が焼けるような感じ チリチリする痛み
と表現されることが多い

一方 呑酸は
酸っぱい 苦い液が胃から食道に上がってくる感じ
ゲップが出る
と訴えられることが多い

また これらの症状以外にも

食物が胸につかえる
吐き気がある

という表現をされる患者さんも多くおられます

gerd11

このような 典型的な症状がある場合は
比較的容易に胃食道逆流症 逆流性食道炎を疑えますが

なかには 非典型的な症状で来院される
胃食道逆流症 逆流性食道炎の患者さんもおられます

こうした非典型的な症状は 食道外症状と呼ばれ
胸やけ 呑酸などはなく 食道外症状のみを呈する患者さんは
少なからずおられるのです

gerd11a

<食道外症状>

食道外症状の代表例は 胸の痛み です

なんとなく前胸部のあたりが痛い 違和感がある
それが何日間も続いているが どんどん症状が強くなるわけではない

gerd12

そんな訴えで来院された患者さんには
まず 狭心症や心筋梗塞のリスクを考えて 心電図や血液検査をしますが

それらの検査で異常がない場合は
胃食道逆流症 逆流性食道炎を疑います

狭心症や心筋梗塞の精密な検査である冠動脈造影で
異常を認めない症例の70~80%に 胃食道逆流症がみられたとの報告もあり

その多くの場合は
胃食道逆流症の治療に用いられる酸分泌抑制剤により
胸痛は改善します

喉がイガイガする 声が枯れる 咽頭痛がある といった症状も
胃食道逆流症の食道外症状の代表例です

そうした症状の14%は胃食道逆流症だったという報告もあり
酸分泌抑制剤で症状が改善することもあります

gerd13

また 咳が続く 喘息のような感じ
胃食道逆流症の食道外症状のひとつです

びらん性胃食道逆流症では
上記の症状をともなう呼吸器疾患の合併率が有意に高いことが報告され

慢性咳嗽患者の43% 喘息患者の26%に
胃食道逆流症の合併を認めるとの報告もあります

但し 酸分泌抑制剤による呼吸器症状の改善効果は不明です

gerd14

睡眠障害も 背後に胃食道逆流症の存在を疑うべき症状です

寝ると 食道と胃の位置関係が水平になるので
胃酸が食道に逆流しやすくなるので
胸やけや呑酸といった症状が起こりやすくなるため 夜中に目が覚めてしまう

胸やけがある症例では 睡眠障害が多いと報告されており
胃食道逆流症に起因する睡眠障害は 酸分泌抑制剤で改善することも
報告されています

gerd15

睡眠障害と胃食道逆流症の関連で興味深いのは

睡眠障害と食道のびらんの存在 重症度とは関連がなく

一方
食道粘膜にびらんや炎症をともなわないタイプの胃食道逆流症で
睡眠障害が高率に認められることです

あとで詳しく説明しますが
びらんや炎症をともなわないタイプの胃食道逆流症の病態には
食道の食道知覚神経過敏が関与すると推測されていて

睡眠障害が この食道知覚神経過敏を介して
症状を悪化させるのではないかと考えられています

また 肥満は胃食道逆流症のリスク因子のひとつですが
肥満による睡眠時無呼吸も
胃食道逆流症の病態に関与すると推察されています

gerd16

<問題なのは生活の質・QOLの低下>

このように 胃食道逆流症では さまざまな自覚症状が見られますが

いちばん問題なのは
こうした症状により 患者さんの生活の質・QOLが低下することです

胃食道逆流症の患者さんは
高血圧 狭心症 更年期障害の患者さんよりQOLが低下していますし

gerd17
胸やけ 呑酸が重症になればなるほど QOLが低下します

しかし 治療により症状がなくなれば QOLは改善するのです

ですから 典型的な症状を呈する場合はもちろんですが
非典型的な食道外症状を訴えられる場合も
的確な診断を行い 適切な治療を行うことが 医者の腕の見せ所なのです

あ 最後 ちょっと エラそうでしたね
どうも失礼いたしました(苦笑)

 

高橋医院