生活習慣の改善と運動療法 女性の動脈硬化
動脈硬化の改善に有用な 日々の生活の工夫について解説します <生活習慣の改善> 動脈硬化の予防の基本は 生活習慣の改善です 日常生活のなかで いかにして動脈硬化の危険因子を避けていくかが ポイントになります *禁煙し 受動喫煙を回避する *過食と身体活動不足に注意して 適正体重を維持する *肉の脂身 動物性脂肪 鶏卵 果糖を含む加工食品の大量摂取を控える *魚 緑黄色野菜 海藻 大豆製品 未精製穀類の 摂取量を増やす *糖質含有量の少ない果物を適度に摂取する *アルコールの過剰摂取を控える *中等度の有酸素運動を 毎日30分以上を目標に実施する こうしたことを心掛けることが大切です そして ご覧になってお解りのように 生活習慣の改善のなかで中心になるのが 食生活です 前回ご説明した食事療法が 動脈硬化の治療の中心になるのです <運動療法> @習慣的な身体活動 有酸素運動は 動脈硬化性疾患予防に有用です @身体活動の増加により *脂質の改善 *血圧の低下 *インスリン感受性の改善 *血管内皮細胞機能の改善 *精神的ストレスの抑制 が得られ 動脈硬化予防に貢献します @速足 スロージョギングなどの有酸素運動も有用です *脂質代謝の改善 HDL-Cの増加 が得られます *運動時間と効果には正の相関があり 1日30分以上を 週に3日以上 が理想的です *通常速度のウオーキングに相当する強度が必要です @座位時間の増加は 身体活動低下とは独立した危険因子ですから できるだけ座ったままの生活を避けることが大切です <女性の動脈硬化> 女性の動脈硬化に関しては 特に糖尿病 喫煙 高血圧と 冠動脈疾患リスク上昇との関連が大きく 閉経により女性ホルモン分泌が減少すると 増悪するのが特徴です 治療に関しては *閉経前の脂質異常症に対しては 生活習慣の改善が治療の中心になる *閉経前でも 二次予防 一次予防のハイリスク患者では 薬物療法を考慮する *閉経後では リスクの高い患者には薬物療法を考慮する といった点がポイントになります
高橋医院