ここで
不確実の渦を作っているのは
政府と中央銀行の政策のミスマッチだ
という意見が出されます

政府と中央銀行の政策のミスマッチを問題視する意見をまとめた表

<政府と中央銀行の政策のミスマッチ>

ヘルマンさんは

*政府による財政政策
*中央銀行による金融政策
それぞれに役割があると解説します

財政政策 金融政策それぞれの役割について説明する図

中央銀行の役割は
金利を低く抑えようと調整し
市場に介入し国債を買うことで
こうした政策は ケインズ以降成長してきました

そして 金融危機後の10年間で
中央銀行は
金利を押し下げるという急進的な方針に転換し
潤沢な貨幣供給を行いました

しかし政府は
中央銀行がジャブジャブと刷るお金を使わず
むしろ緊縮財政を行った

政府が緊縮財政を実践している一方で
中央銀行は金利を押し下げている

政府と中央銀行のミスマッチを指摘するヘルマンさん

このミスマッチは致命的だ とヘルマンさんは指摘します

致命的だと強調するヘルマンさん

経済が鈍化しているときには
中央銀行は金利を下げ
政府は積極的な財政政策でお金を使い
経済を循環させなければならない

政府の積極的な財政政策の重要性を訴えるポスター

政府が中央銀行に対して行った施策は 
全くばかげたもので
ケインズはきっと笑っていることだろう

今 ケインズほど影響力があり 
知的な経済学者がいないのは
本当に残念なことだと 彼女は深く嘆きます

深く嘆くヘルマンさん

ケインズは
経済学は 本質的に道徳学であり 自然科学ではない
経済学は 内省と価値判断を用い
それに加えて 
動機 期待 心理的不確実性を取り扱うものだ
と説いたそうです

ケインズの理論をまとめた図

<不確実性の渦の中で どうすれば良いのか?>

セドラチェク

人の仕事のほとんどは 人為的に作られたもので
大多数の人は 
実は必要のない仕事をしているとさえ言える

政府がやるべきことは
経済に大きな影響を与える人々の不安を取り除くことだ

と主張します


森田さん

日本は世界で一番早く低金利政策をしてきたので
現在の状況に馴染みがあると前置きし

財政 金融政策で市場が操作されていることに
ショックを受ける人もいるが

指摘する森田さん

市場の生き生きとした動きは健在で
その根底をなすのはコミュニュケーションである
と指摘します


一方 居松さん

本来 市場が発する警告は意味があるけれど
政府や中央銀行の市場への関与が大きくなると
その意味が薄らいできてしまう

株価が凄く上がったときに
それが引き起こす次の問題・リスクをどう考えていくか?

それは解けないものだが 人はそれを解けると思ってしまう

つまり 解りたいようにしか解らない という
個人の認識のバイアスが 集団の中で連鎖 醸成され
そうなると 科学的根拠という拠り所ですら
新たなリスク要因になってしまう

問う居松さん

このような不安定な渦から抜け出し
ポピュリズム 大衆迎合に陥ることのない
社会全体を見通すバランス感覚は いかにして得られるか?

本質に迫る問いを発せられます
高橋医院