こうした歴史的過程を経て
いよいよ マルクス・ガブリエルの「新実在論」が登場します

今こそ鏡を投げ捨て 新しく前へ進む時だ

新実在論では

これまでに隆盛を誇ったコンセプトのすべてに異議を唱え
「なんでもあり」の相対主義すら 敢えて相対化します

相対主義は どうしたって真実にはなり得ない
そして「絶対的なモラル」は確かに存在する
だから 相対主義は正しくない

これこそが 新実在論が主張することです

正しいモラルは
相手の立場になって初めて理解できる

人が理性的である限り
明快な説明は 人が何をすべきかを伝えることができる

一方 知と科学は
新しいモラルのために間違いなく重要で
これを否定していては何も始まらない

事実も 空想も 関係性も
「意味のあるもの」は全て存在する

現実は 個別の「もの」が重なり合う網のような場で
すべての構造はローカルなもの

だから重なる合うことができるし 何の問題もない
むしろ 重なり合うことがポイントになる

人は 歴史を重要なイベントの連なり ととらえる

全ての物事を連ねるものなど 本当は存在しないからこそ
歴史という 隠れた統一性 を創造してしまう

しかし 歴史を疑うこと 因果関係を疑うことが大切で
哲学者は「世界史」があるとは 全く信じていない

絶対の「世界史」は 存在しないのだ

意味あるものはすべて存在するが
「世界」は存在しない

「全体」を求めず 「細部」に引きこもらず
思考し続ける

どんなに研究しても
「全体」を見わたす神の視点などは期待できない
神などいないのだから

「全体」性という考え方をやめれば
全く新しい思考が生まれる

時代の鎖に捕らわれず 今を生きること

そうやって生きている人は 皆 哲学者だ

うーん 書き手は
ガブリエルが語ることは
いつも明快で とても面白いと思うし
なんというか期待感のようなものがある

でも 実はまだ 新実在論 読んでいないのですよ
本はたくさん買ってあるのですが(苦笑)

彼が今回語ったことの中で いちばん興味深かったのが

「全体」性という考え方をやめれば
全く新しい思考が生まれる

ということです

そのあたりをとっかかりにして
そろそろ原典を読むことにしましょうか(苦笑)
高橋医院