新型コロナワクチン最新情報・安全性は本当に大丈夫か?
予想外の好成績を示した 新型コロナウイルスのワクチンですが いくつか問題点や疑問点も指摘されています <輸送 保存時の温度の問題点> 今回のワクチンに用いられているRNAは もともと不安定で壊れやすいので 製品の安定性を保つためには 冷温状態での輸送 保存が必要とされます ファイザーは マイナス60~80℃なら最長半年間保存可能 2~8℃だと5日間 モデルナは マイナス20℃で最長半年 2~8℃だと30日間 と報告しています これだけ低温の保存装置を有している医療機関は多くないため 実際に接種が開始されるとネックになりそうです 一方 アストラゼネカのワクチンは 従来のワクチンと同じで 冷蔵庫での保管が可能と報告されています <安全性は本当に大丈夫なのか?> それにしても 過去に例がないほどのスピードで 新型コロナウイルスのワクチンの第3相試験は進められました これまでの多くのワクチンの第3相試験は 数千~数万人規模で 3~5年かかっています また 安全性の確認には 少なくとも数年かかり 特に小児 妊婦への安全性の確認は難しいとされています それなのに今回は いずれの会社のワクチンも 開発から1年以内で 第3相試験も3ヶ月ほどに過ぎません アメリカをはじめとする先進国の政府が多額の予算をつけて 必要な審査を短縮して開発を急がせているのが現状です @副反応 一般的に ワクチン接種で重篤な副反応が起きる頻度は 100万回に数回程度と言われています 現在の試験の規模は数万人程度なので 今の100倍くらいの規模で試験が行われなければ 重篤な副反応の本当のリスクは分からない可能性があります さらに これまでのワクチン開発の歴史では 開発中のワクチンの100種類のうち96種類は たとえ免疫反応が誘導できても なんらかの副作用により脱落していますし 他のコロナウイルスのワクチンでは 接種後しばらく時間がたってから 重い副反応が出たケースもあります ですから 最低でも2年は経過観察しないと 安全とは言い切れない と指摘される専門家もおられます ましてや 既に説明したように 今回開発されているワクチンは ウイルスの遺伝子を用いる新しいタイプなので これまでに経験したことがないような 副反応が起こる可能性もあります 体内でウイルス抗原を作らせるので アレルギー 自己免疫 過敏症が起こるリスクも否定できません アストラゼネカのワクチンでは 9月に自己免疫性の横断性脊髄炎を発症した女性がいて 1週間ほど治験が中断されましたが 症例が増え 接種後の時間経過が長くなるとともに そうした副反応が起こる可能性があるかもしれません 実際にFDAも 下記に示すさまざまな副反応が起こる可能性について 注意喚起しています 宮坂先生は アメリカのような爆発的な感染が起きていれば ワクチン接種を急ぐ必要があるけれど 今の日本の状況はそこまで切迫していないので 副反応を充分に評価することが大切で 短期間の試験では ADEなどの副作用を見逃すリスクがあると 警鐘を鳴らされています 新型コロナウイルス感染症対策分科会は ワクチンの安全性と有効性について RNA ウイルスベクターを用いた新たなワクチンは不明な点が多く ワクチンによってはADE・抗体依存性増強などの 重篤な副反応が発生するリスクもあり 安全性の監視の強化が大切で 特に 新規なワクチンなため 市販され多くの人々に接種開始されたあとに 初めて安全性の課題が明らかになる可能性があることに留意が必要 という見解を述べています 好成績に魅かれて 簡単に飛びついて良いのか? じっくり冷静に考えるスタンスが重要かもしれません と 書いたところで 世界に先駆けて接種を開始したイギリスで 5000人余り接種した時点で ふたりにアナフィラキシーショックが起きたと ビックリするニュースが飛び込んできました ふたりとも 過去にアレルギー反応を起こしたことがある医療従事者で 緊急時用の薬を携帯していたこともあり 大事には至らずに済みましたが アナフィラキシーショックは 死に至る可能性もある とても危険な反応です イギリスの保健省は こうした事態を受けて 過去に医薬品や食品にアレルギー反応を示したことがある人は ワクチン接種を控えるように通達を出しました ちょっと心配になるニュースです
高橋医院