アメリカにいた時、再生医療の先駆けのお仕事をしていました。しかも、循環器!

とても良い経験をすることができました。

ヒトの単核球から、血管内皮前駆細胞(EPC)を分離培養し、血管新生させる研究だったのですが、

その際、EGF(上皮細胞成長因子)、VEGF(血管内皮成長因子)などを使います。

そんなこんなで、EGFなどには、なじみがありました。

一方、抗がん剤で、肝臓専門医さんも使った抗EGFR薬があります。

これは、がん細胞を成長させないように、すなわちEGFが働かないようにする抗体を投与するものです。

抗VEGR抗体もあり、抗がん剤としてだけではなく、失明を防ぐために、目の血管新生抑制にも使います。

ある時、なにげなくテレビをみていたら、なんと羊にEGFを注射すると、

注射して1か月ぐらいすると、毛皮を脱ぐように羊さんの毛がとれるのです!

羊さんは、毛刈りをしてあげないと、暑いし感染症に侵されるので、毛刈りは必須なのだそうです。

でも毛刈りの好きな羊さんは少ないようで・・

この方法だと、羊さんにもストレスが少ないし、毛刈りする方も楽!

この方法が編み出されたとき、1匹当たり100万近かったようですが、

なんとタンパクの研究をしていたヒゲタ醬油に相談、ヒゲタ醤油は、EGFの大量作製を成功させ、

1匹当たり100円になったとか!ニュージーランドはヒトより羊の方が多い国と聞いたことがあります。

すごい経済効果!

そして日本の底力を誇らしく思ったのでした!

羊の毛あったかいの!起こさないで!

 

高橋医院