糖尿病を予防する食事スタイル

今日は「どんなものを食べると良いのか 悪いのか?」
という具体的な話です


<赤身肉を多く食べる男性は要注意!>

これは意外でした

男性では
肉類の摂取量が多い(100g/日以上)グループで 
糖尿病発症リスクが1.36倍に上昇し

特に赤身肉の摂取が多い人達は
リスクがさらに上昇するそうです

赤身肉を食べる男性

一方 コレステロールについては
男女ともに
摂取量が多いグループ(約400mg/日以上)でも
糖尿病発症リスクは上昇しない
という結果が得られました

コレステロール摂取量に関しては
今年2月に
アメリカの食事栄養のガイドラインで
摂取制限が撤廃されたように

摂取量の多さが問題なのではなく
その質が問題であることが
明らかにされています
(これについては稿を改めて説明します)

ですから今回の結果も
リーズナブルと考えられますが

赤身肉を食べすぎると
糖尿病リスクが増えるというのは驚きでした

霜降り肉はダメだけど 
脂身の少ない赤身ならOKだよ
というのがトレンドですからね

お肉に多く含まれる
ヘム鉄 飽和脂肪酸 焦げた部分の糖化最終産物が
酸化ストレスや炎症を引き起こし
インスリン感受性や分泌に悪影響をもたらすのでは?
と推測されています

お肉に含まれる
コレステロール以外の成分が悪さするというのは
びっくりかもしれませんが

酸化ストレスが健康にとって大きな問題であることは
間違いありません
(酸化ストレスについては いずれ詳しく説明します)

ただ この解釈はどうなのかな?
議論の余地があるようにも思います

<魚を食べるとリスクが減る!>

魚に豊富に含まれる
エイコサペンタエン酸(EPA) 
ドコサヘキサエン酸(DHA)
心筋梗塞や脳卒中の予防に役立つのは
今や常識になりつつありますが

EPAやDHAによる
インスリン分泌や抵抗性の改善も
報告されています

それを裏付けるように今回の調査結果でも
男性では
魚介類摂取が多いほど
糖尿病発症リスクが低下する傾向がみられ

摂取量が最も少ない群に比べ 
最も多い群ではリスクが約3割も低下し

魚を食べる男性

特に
アジ・イワシ・サンマ・サバなどの青魚 小魚が多いほど
低下することが明らかにされました

書き手は 
たまたま青魚が大好きなので
これを書きながらよだれが出てきつつあります(笑)

<男性は野菜を食べましょう!>

野菜摂取が最も多いグループでは 
発症リスクが20%ほど低下することが
明らかになりました

これも予想通りの結果ですね

葉野菜には 
食後血糖値の上昇を抑える食物繊維に加え
インスリン感受性を高める
ビタミンCやカロテノイドなどの
抗酸化ビタミンが多く含まれており
これらが糖尿病リスクを低下させると
考えられています

またアブラナ科の野菜に含まれる
イソチオシアネートには
抗酸化作用があります

特に肥満 喫煙習慣のある男性では
野菜効果が著明に認められるそうなので

野菜を食べる男性

メタボのお父さん 
頑張って野菜を食べましょう!


<女性は大豆を食べましょう!>

糖尿病リスクの高い 肥満や閉経後の女性は 
大豆摂取が発症予防につながりそうです

大豆に含まれるイソフラボンインスリン抵抗性を改善するので
インスリン抵抗性が認められる肥満者の
糖尿病発症を予防する効果が期待できます

またつい先日ご説明したように 
女性ホルモン(エストロゲン)
糖や脂質の代謝を調節して生活習慣病になるのを防ぎますが

エストロゲンと構造が似ているイソフラボンにも
弱いながら同様の作用があると考えられます

エストロゲンとイソフラボンの構造式

実際に大豆を摂取していた女性では
糖尿病発症リスクが最大で
23%も低下していました

マダム 
朝は納豆に豆腐と油揚げのお味噌汁ですよ!

納豆と味噌汁

以上まとめると
肉より魚を多目に 野菜をたくさん

やはり基本はそこですね!

目新しいことではありませんが
これまでに言われてきたことが正しいことが
10万人のデータで再確認されました

大切なのは こうした食生活のパターンを
日々の生活で習慣化することです

地道な努力に勝るものなしですから 頑張りましょう!





高橋医院