弦楽器と管楽器の間に 
優劣があるか?

そんなこと 
考えたこともありませんでしたが

そういえばバッハ・コレギウム・ジャパンの
演奏会のパンフレットに出ていた座談会

バロック音楽全盛期には
トランペット奏者のお給料が 
弦楽器の奏者よりも高かった

と書いてあり 
びっくりしたのを憶えています

トランペット奏者

一方 雅楽でも 
管楽器と弦楽器のヒエラルキーがあるようです

既に説明したように 
管弦の世界で主旋律を奏でるのは
西洋音楽と異なり弦楽器でなく管楽器

だから弾物より吹物の方が優位?

と思いきや そうでもないようなのですよ

吹物は 
直接息を吹き込んでいる間だけしか
音は出ません

笙を吹く人


一方 弾物は 
爪弾く指が弦から離れても 
しばし音が持続します

琴を弾く人

この余韻のような音に
昔のやんごとない方々は
霊性を感じられたそうで

直接に息をかけないと
音が出ないような楽器は
やんごとない者が嗜むものではなく

人の指を離れても 
なお音が響く高貴な楽器こそ
嗜むべきものである

ということで

古来から 
やんごとなき方々が好んで演奏されたのは 
琵琶 か 

琵琶
筝

笙や篳篥なんて 
とんでもなかったそうで

余韻のある音に 霊性を感じるのか~

うーん 
やんごとない方々がお感じになることは
難しいですねぇ(苦笑)

管弦でいちばん良い音環境を醸し出すのは
打楽器が3人 
琵琶と筝が2人ずつ 
笙と篳篥と龍笛が3人ずつ
計16人のチーム編成であることは説明しましたが

今でも 
宮様方が参加される宮中の管弦では
琵琶や筝が10台も並んだりするそうです

そうなのですね~

確かに 琵琶は
琵琶法師とか見聞きする機会が多いですし

琵琶を抱えて奏でる人

お正月に演奏を聴いた箏も 
比較的ポピュラーですが

箏を弾く人

笙や篳篥は 
雅楽の演奏会以外では 
接する機会は全くありません

管弦で
メロディを奏でるのは 
笙や篳篥で

琵琶や筝は 
伴奏をつかさどっているにすぎないのに

今の世でもポピュラーなのは琵琶や筝 
という事実には

琵琶や筝が奏でる音の余韻が
日本人の感性に訴えかける 
霊性との関わりが
影響しているのでしょうか?

なんだか 
とても不思議な感じがします(笑)

だったら 
シンバルとか トライアングルなどの
もっと音の余韻がありそうな楽器では 
ダメなのかな?

でも シンバルやトライアングルの音色では 
霊性は感じられないか

やはり 
弦が発する音の波長が大切なのかな?

なんでも興味の書き手は 
色々と思案するわけですよ(苦笑)

それから 下衆な話で恐縮ですが

琵琶と筝の奏者と 
吹物の奏者では
昔から お給料が異なっていたり
するのでしょうか?

うーん 
やんごとない雅楽の世界は 
奥が深いです(苦笑)
高橋医院