1日に必要な糖質はどれくらいか?
中央区・内科・高橋医院の ダイエットに関する情報 糖質ダイエットの解説を続けていますが そもそも糖質の生理的な1日必要量は どれくらいとされているのでしょう? その点をはっきりさせておかなければ どの程度の糖質制限なら妥当で どれくらいなら危険か評価できません スタンダードとされているのが 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版) に掲載されている 「総エネルギー量の5~7割を糖質からとる」 という基準です 例えば 30~40代女性でデスクワーク中心の人は 1日に1750kcal程度の エネルギーが必要とされており その6割を糖質からとるとしたら 1750kcal×0.6=1050kcal分 糖質1gは4kcal相当のエネルギーに変わるので 1050kcal÷4kcal=263で 1日に260gくらいの糖質が必要になります 白米ご飯1膳(150g)に含まれる糖質は 約55gですから お茶碗約5杯分 意外に多いですね? また 厚労省と農水省が公表している 「食事バランスガイド」には 1日に ご飯なら中盛り4杯 食パンなら6枚 麺類なら3杯 食べるのが バランスの取れた食事 と記されています これも多い気がします 実際に エネルギーの50~70%を 糖質から摂るのは多すぎる という考え方があります その根底にあるのは 脂質悪者説で 脂質の摂取量が減らすことで 糖質摂取量が増えると 脂質も摂取カロリーも減らしたのに かえって肥満や糖尿病の患者数は増えた という現実で 糖質が悪さをしている という認識です だから 総エネルギー量の5~7割を 糖質からとるという基準そのものが 時代錯誤的である という主張です また 食事バランスガイドは 国立健康・栄養研究所の日本人の 食生活調査の平均値をもとに作られたもので 単に日本人は平均してこれくらい食べています という調査結果に過ぎず 科学的に理想のバランスを 検討したものではないので 信頼できない という批判もあるようです 実際に 脳 神経などの 生体機能の維持に必要とされる 糖質の必要最低量は 1日におよそ100g と推定されていますから 260gも摂らなくてもいい むしろ摂らない方が健康に良い そこで 糖質制限を推進する人たちは *1日あたり 50g以下(アトキンスダイエット) *1日あたり 糖質150グラム以下(ローカーボハイドレート) などといった独自の基準を設けていますし アメリカ糖尿病学会では 炭水化物質由来エネルギーが 全エネルギーの40%未満が望ましいとしており 日本の5~70%を糖質からとるべき という基準とは かなりの隔たりがあるもの事実です 生体の機能をしっかりと維持できて しかも肥満や糖尿病にならないためには いったい1日に どれくらいの量の糖質を摂取すべきなか? 本当に260gも必要なのか? 150g程度が妥当なのか? 50gでも大丈夫なのか? まだ意見の隔たりは大きいようです
高橋医院