年齢差25歳のライバル
宿命の対決 ダヴィンチ vs. ミケランジェロ
うーん ずいぶんベタな企画をされますなあ(笑)
三菱一号館美術館さん
ルネサンスの2大巨匠をライバル関係のコンテクストでとらえるのは
ありそうで なかなか実現できない企画のように思いましたが
そんな風に斜めに構えながらも
書き手はしっかりと 美術館に足を運ぶわけですよ
はい この企画展を思いつかれたキュレーターさんの勝ち!(笑)
そして この企画だと やっぱり混んでいますね!
それでなくても 訪れたのが終了間際の週だったせいもあり
開館時間には入口に既に列ができていました
この美術館は展示室が狭いところがあるので 混むとキツイ
で ライバル関係をモチーフにした企画展に興味がある人は
当然 どちらかへの思い入れがより強くて
その思いを確認するために 会場に足を運ぶ?(笑)
書き手は 行く前から ミケランジェロ派!
ダヴィンチは 中学生の頃は尊敬していましたが
ミケランジェロとどちらが好みかと聞かれれば 当然 後者です!
その訳は おいおい語ることとして
ふたりの世界に入っていくことにしましょう
この展覧会がユニークなのは 色彩が施されている作品が少ないこと
ほとんどが素描 デッサンです
書き手は もともとデッサンが大好きですが
絵画制作の出発点であるデッサンには
画家のインスピレーションがダイレクトに反映されるし
また 画家の描き方の個性がプリミティブに顕れる
という解説を読み なるほどね! と とても納得しました
で 最初に展示されているデッサンが
ダヴィンチの自画像 と
ミケランジェロの「レダと白鳥」の頭部のための習作
このふたつの作品をじっくり見ていると
ダヴィンチとミケランジェロの違いが よく見えてくるように感じます
書き手はやはり 右側のミケランジェロのデッサンに魅かれるのですよ
だって 気持ちが伝わってくる感じがするでしょう?
ダヴィンチとミケランジェロは 25歳も年が違います
しかし ふたりはイタリアルネサンス芸術の二大スターとして認識され
周囲はふたりをライバルと見做し
同じ広間の壁画をパート分けして描かせ競わせたりしました
なんと 本人たちの互いに対する意識も かなり強烈なものがあったようです
でも ふたりの絵画や芸術に対するスタンスは全く異なるから
ライバルとして比較することは 意味がないと思うのですよ
ダヴィンチはクールに ミケランジェロは情熱的に 芸術に取り組んだ
とでも言えるのでしょうか
この企画展の図録の冒頭で
ローマ教皇庁の文化財委員会のお偉いさんが解説されていましたが
ダヴィンチは
フィレンツェにおけるキャリアの出発点で抱いていた
芸術に対する唯美主義や抽象的な精神主義に別れを告げ
現実的な経験を表現するものとして芸術を捉えなおし
やがて 自然科学や発見の追求のために芸術を卒業した人であり
一方 ミケランジェロは
芸術に 物事の本質を越えた奥深く超越的な探究を求め
そうした美徳 意志 エネルギーといったものを表現しようとした
つまり
ミケランジェロは 人というものの内面や魂の表現を芸術に求め
ダヴィンチは 自然の中での人間の存在を
科学の一部としての芸術により明らかにしようとした
というのです
で 書き手は 芸術の根本はパッションだと思うのですよ
もちろん
表現を豊かにするためのテクニックとしての自然科学的手法は重要ですが
それが目的となっては 本末転倒のような気がします
だから 正直言って ダヴィンチの絵画の良さが いまひとつわからない
ミケランジェロの作品の方が わかりやすく 共感できる
でも ダヴィンチの芸術の良さも理解できるようになりたい
とも思うのですよ
モナリザの謎の微笑みの わけを知りたい?(笑)
いやはや 何を言っているのか よくわからなくなりましたね(苦笑)