王の青
書き手は自分では意識しておらず 糖尿病専門医さんに指摘され 初めて気がついたのですが 絵画や美術品などを見るとき 「これは良いね」とか「これは美しい」 と感嘆するのは 青色の場合が 圧倒的に多いそうで うーん 確かにそう言われれば 青は好きな色かもしれません で そんな “ブルーフェチ” (笑)の 書き手の心をつかんだのが セーヴル展で展示されていた これらの作品でして 今回の企画展を観て 初めて知ったのですが セーヴルの代名詞とも言える色は 深く美しい青色 なかでも 「王者の青」(bleu de roi) と呼ばれる 深みのある宝石のような青色は まさにセーヴルを代表する特徴的な色で 酸化コバルトを顔料として 熟練した職人たちの手により作られました うーん ブルーフェチの心が疼きます(笑) セーヴルで磁器が焼かれ始めた初期には まだカオリンが発見されず 硬質磁器を作ることはできませんでしたが 逆に軟質磁器では 硬質磁器より鮮やかな発色が出来たので 前回ご紹介した ポンパドール・ピンク をはじめとする さまざまな美しい色をした磁器を作れたそうで 王者の青も まさにその時期に開発されたそうです さらに 王立製陶所の特権として 24金を用いた装飾が許されたので 深いブルーの周りを 燦然と輝く優雅な模様で飾ることができ ため息が出るような美しい作品が生まれました ホント きれいですよね、、、 セーヴルには 3種類のブルーがあります @ファットブルー 深い瑠璃のブルー まさに「王者の青」と称される 他の追随を許すことの無い濃紺色で コバルト焼成を3回繰り返すことで 深みのある均一なコバルト地を作り出します @クラウデッド・ブルー 夜空に雲を表現したような ぼかし技を用いたコバルトブルー セーヴルで最も古いブルーの技法だそうで コバルトを彩色・焼成したあとに さらにコバルトの絵の具で彩色し こすり職人・たたき職人が その絵の具を 焼成前にこすり取ることで 深遠なぼかしが表現できるそうです @アガサブルー 明るく華やかな水色 水色というには安直すぎ ターコイズというには 軽すぎる独特の色合いで もっとも繊細な技術が必要とされるため 非常に高価だそうです 斯界では クラウデッド・ブルーの人気が高いそうですが 書き手はなんといっても 王者の青 が好みです! 見ていて飽きません もちろん 金の装飾が施されたものもきれいですが シンプルな濃紺も 甲乙つけがたいくらい美しいと思います それにしても セーヴル陶磁器展で こんな新たな発見に出会えるなんて びっくりです! 世の中 まだまだ勉強しないといけないことは 沢山あります(笑) うーん 青の世界は深いですね!
高橋医院