ヨーロッパのステーキ
ステーキ 世界一の旅 和知シェフと佐々木さんは 大西洋を渡ってパリに向います パリで 世界一の肉屋さんを訪れるのが目的です その肉屋さんは 高級住宅街にあります 店主の ユーゴさん フランスでは 昔から肉屋の仕事が重要視され 肉職人になるには 国家資格を取得する必要があります そして 牛の飼育から肉の処理まで 全てを手掛けるそうです このお店で取り扱っているのは 5~6歳で 2~3回の出産経験のある牛 若い牛は 肉は柔らかいけれど 脂が足りていないし味がタンパクだそうで それに対して経産牛は 出産後に 脂が付いてくるので 肉に豊かな風味をもたらし 味わいが深く 旨味があり 香りが良いそうです 和牛のサシとは 質が違う脂が付いているとのこと そして 肉を4週間以上熟成させることで 肉が柔らかくなり 旨味成分が増えて 味わいも深まります 最近は日本でも大ブームの 熟成肉 ですね! ご覧のように 色は鮮やかさを失いますが 柔らかくて チーズのようないい香りがする そして 指で押したら指がくい込んでしまうほど 柔らかくなる こんな具合に 熟成庫に吊るされて 4~7週間 熟成させます 温度は 0~2℃ 湿度は 70%以下 温度 湿度は こまめに調節するそうです 熟成の度合いは 味見で判断するそうで 風味 柔らかさ 香り しっとりとした感じなどで 総合的に判断するとのこと ユーゴさん 牛肉の塊をいとおしそうに優しく撫ぜています 最も熟成に向いているのが リムーザン牛 1頭に1ヘクタールの恵まれた飼育環境で のびのびと放牧されて育ちます さて ユーゴさんは 包丁さばきの名人でもあります 一気に真っすぐ 割面が平らになるようにカットする グラッセカット とてもきれいな切り口ですが こうやってカットすると 艶があり 食感がよく 旨味も失われません これが 簡単そうに見えてなかなか難しくて 一気に切らないと 段ができてしまい 味も悪くなるとか しっかりとしたお肉なので 濃厚なソースで味わいます ユーゴさんのお店から お肉を仕入れているレストランでは 秘伝の濃厚ソースを ステーキにたっぷりかけます 味わった和知シェフと佐々木さんは これは単なるステーキではなく 立派なフランス料理だと 驚いていました 肉屋の主人と レストランのシェフが お互いの仕事を尊重しあって 伝統的な肉料理文化を育んでいる アメリカのシンプルさとは好対照とも言える 美食の国 フランスの奥深さを感じました そして旅の最後に向ったのは イタリア トスカーナのフィレンツェ Tボーンステーキ ビステッカ・アラ・フィオレンティーナ で有名な街です ここのTボーンは巨大で 厚さ5cm 1.5Kgほどあります 書き手も初めて現地で食べたとき お皿からはみ出した大きさに びっくりしたのを憶えています Tボーンは 背骨のまわりの肉で 骨の両側に フィレとサーロインがついているので 一品でその両方を楽しむことができます 適度にサシが入り ジューシーなサーロイン 脂が少なくて やわらかいフィレ 地元産のオリーブオイルをかけると より美味しくなります さて Tボーンを提供してくれるのが 現地の キアニーナ牛 お肉に 正真正銘のキアニーナ牛と証明する 刻印が押されています というのも この牛は希少で キアーナ渓谷で飼育された 2歳以下で 4代前までの血統が保障されている 純血種の牛だけが キアニーナ牛と名乗れます 世界最大の牛 と言われていて 体重が1600Kgにもなる牛もいるそうです 世界一古く ローマ時代から飼育されていて 神に捧げられた幻の牛 とも呼ばれているとのこと 地元の牧草しか飼料にしてはいけないなど 厳しい基準を設けながら 希少なキアニーナ牛の血統を絶やさないように 現地の畜産関係の人々は 日々努力されているそうです ということで テキサス パリ フィレンツェ いずれも 甲乙つけがたく 美味しそうでしたね 番組の最後に 和知シェフと佐々木さんは 牛を育てる人 肉を管理・熟成させる人 そして料理をする人 それぞれの人の生きざまや性格が ステーキの味に出る と感想を述べられていました 確かに ステーキをおいしくする大きな要素は そうした方々の お肉や料理に対する情熱なのかもしれませんね
高橋医院