尿の 
泡立ち 色の変化 臭いの変化と 
病気の関連について説明します

<尿が泡立つ>

尿にとても泡が立っている 
と心配されて来院される方は
多くおられます

病気でなくても 
尿は濃くなると排尿中に泡立ちますが
この場合 
しばらく便器の中の尿を見ていると
泡が消えます

@蛋白尿

しかし 
排尿する度に泡立ちがあり 
泡がなかなか消えない場合は
尿に蛋白が混ざっている可能性がありますから
検査を受けて下さい

泡が消えない尿の写真

@糖尿病
 
全身の病気によって
尿の泡立ちを認めることがあり
最も多いのは 
糖尿病です

泡が消えない尿の写真2

血糖が160mg/dL以上に増加すると 
尿の中に糖が排泄されるようになり
尿糖が増加すると 
尿の粘稠度が高くなって
尿の泡立ちが目立つようになります

<濁った尿 茶褐色の尿が出る>

健康な方は
朝起きたとき 汗をかいた後などは 
色が濃い尿が出ますし
水分をたくさん摂ったあとは 
薄い尿が出ます

これは 尿の量により 
体内の水分バランスを調節しているからで
尿の量が少ないときは 
濃縮されて濃い色になり
逆に多いときは 
希釈されるので薄い色になります

たとえば 
夏の熱中症などで 
体内の水分が不足する脱水症状では
尿の量が減るので 
尿の色が濃くなります

ビールなどをたくさん飲んだときは 
すぐに色の薄い尿がたくさん出ます

尿の色と脱水状態の関連を示す図

しかし

*常に尿がにごっている
*コ-ラや赤ワインのような色の尿が出る

場合は 
なんらかの病気が存在している可能性があります

@肝臓の病気

褐色系の濃い尿がでることがあり
この場合 尿の色の濃さの原因になるのは 
ビリルビンという物質です

ビリルビンは 
赤血球が寿命を迎えて壊されて
出来てくる物質ですが
通常は尿中に出てくることはありません

しかし 
肝臓や胆道に病気があったりすると 
血液中にあふれ出し
尿から排泄されるので 
尿の色が濃くなります

肝臓や胆道の病気のときの濃い色の尿の写真

こうした状況は 
病的でよくない状態ですので 
すぐに受診して下さい

@血尿

赤褐色で濁っている場合に心配なのは 
血尿です

血尿は 
腎結石 急性腎炎 腎臓がんなどが
原因で起こります

血尿の写真

また 
赤褐色・茶褐色の尿は 
横紋筋融解症という病気でも起こります

これは 何らかの原因で筋肉が壊れて
ミオグロビンという濃い色の物質が放出され
血液から尿に排出される状況で

脂質異常症 高血圧の薬 抗菌薬などを
処方されている人で 
稀に起こります

尿の色は 
薬やビタミン剤の服用でも変化しますから
尿の色の変化が心配で医療機関を受診する際には
飲んでいる薬のことを 
必ず医師や看護師に伝えてください

<尿が白っぽく濁る>

膿尿(尿に膿が排出されている)
が疑われます

膿尿は 
膀胱炎 尿道炎などの尿路感染症や
腎盂腎炎などの腎臓の感染症によって生じます

膀胱炎の濁った尿の写真


<尿が臭う>

通常の尿は 
ほとんど臭いがありません

臭う場合で多いのは

*膀胱炎などで 
 ツーンとした刺激臭のようなアンモニア臭がする

*糖尿病などで 
 甘酸っぱいアセトン臭がする

尿のにおいの原因をまとめた図

場合で 
そうした際は 早目に医療機関を受診してください



高橋医院