骨粗鬆症の予防
骨粗鬆症になるのを予防するには 日常生活で 何に気をつければよいのでしょう? <食事> 骨の健康にかかわる栄養素は多く バランスのよい食事を心がけることが 予防の基本です 骨の材料となるカルシウムは 欠かせません また 骨粗鬆症治療薬の効果をより高めるためにも カルシウムは必要です もともと日本人は あらゆる世代でカルシウム摂取量が不足しています 吸収率の高い乳製品などで 1日に700~800mgはとるよう心がけましょう カルシウムは 体内に吸収されにくい栄養素なので 効率よく摂取するため カルシウムの吸収を 助ける栄養素 さまたげる栄養素 を知っておきましょう 助けるのは ビタミンD Kを多く含む食材で ビタミンDが多いのは 魚類 きのこ類 ビタミンKが多いのは 納豆 緑色野菜です 一方 妨げるのは リンや塩分の多い食材 カフェイン アルコールなどです また 骨を丈夫にするためには 骨のコラーゲンの劣化を防いで 骨質を良くすることが大切で そのために有効とされているのが ビタミンB6 B12 葉酸などです 予防に特に重要なのは カルシウムですが タンパク質 ミネラルなど さまざまな栄養素を摂取することも大切です ダイエットなどでやせすぎたり 体重が軽い人は 骨が弱い傾向にあります 骨粗鬆症の予防には 標準的な体重を保つことも重要です <日光浴> カルシウムの吸収を助けるビタミンDは 適度に日光に当たるようにすると 体内で活性化され 強い骨を作るのに役立ちます 夏なら木陰で30分程度 冬なら1時間程度の日光浴で 十分な効果が期待できます <運動> 運動をすることで 骨に適度な負荷(圧力)がかかると 骨芽細胞が活性化して カルシウムが骨に沈着しやすくなります ですから 18歳以前に強度のある運動を行うことが 発症予防に最も効果的と言われています また 閉経後の女性への運動介入は 骨密度を上げ骨折を抑制します 反対に運動不足の状態が続くと 骨からカルシウムが溶け出しやすくなり 骨は弱くなってしまいます 運動は筋力やバランス力も鍛えて 転倒や骨折を防ぐので 骨粗鬆症対策には 適度な運動習慣が不可欠です <年代別予防法> @10代 10代は 食事でカルシウムをたっぷりとって 骨の貯金をする時期です 骨量は20 歳前後でピークを迎えるので 特に骨密度が最も増加する 思春期(10~14歳)の生活習慣は重要です また 骨量を増やすために 荷重のかかる運動も積極的に行い 習慣にしましょう 無理なダイエットには 注意する必要があります 食事を抜いてしまうような 無理なダイエットは 骨の形成の大きなさまたげとなります @20~30代 不規則な生活をしないことが肝要です 朝食抜き 運動不足 過度の飲酒 ストレスなどは 骨粗鬆症だけでなく 多くの生活習慣病の発症につながります また 骨折のリスクである 喫煙 過度の飲酒は避けましょう @40~50代 40代になると 徐々に骨量が減少してきます これを機に 自分の骨の状態をチェックするために 骨粗鬆症検査を受けはじめましょう また この年代は 生活習慣病などの発症が気になる年代です 生活習慣病は骨粗鬆症の発症につながるので 全身の健康診断も定期的に受けましょう 女性は 50代で多くが閉経を迎え 骨の形成を促進する女性ホルモンの分泌が 急激に減少しますから 骨粗鬆症の健診を受けた方が良いでしょう 生活習慣の見直しも大切で 適正な体重の管理をし 完全な禁煙を行い 過度の飲酒を避けましょう さらに 積極的に外出したり体操をしたりするなど 無理のない範囲で体を動かす習慣をつけることが 大切です @60代 老化にともない 骨は弱くなり 筋力やバランス力も低下するため ちょっとしたことで転倒し 骨折します 自分の体力を過信せず 無理なく体を動かしましょう @70代 高齢者の多くは 家の中で転倒・骨折していますから 現在の住環境を見直し 手すりをつける 段差をなくす 照明を増やすといった対策をとりましょう
高橋医院