ジャケ買い?
リベラル 書き手は 若い頃は憧れたのですよ 格好良いなあ!ってね(笑) 今でも ちょっとシンパシーはあります(苦笑) だから そのリベラルに 「病」というネガティブな修飾語を 付けられたタイトルの本が 書店の新刊書コーナーに陳列されているのを見たら 思わず手にとってしまいますよね(苦笑) タイトルの付け方が お上手です! リベラルという病 しかも 表紙にかかる帯には 硬いタイトルとは不釣り合いな 若い女性の写真があって 昔 レコード(古い!:苦笑)を物色していたとき ジャケットにきれいな女性の演奏家がでていたりすると 音楽的な興味とは別口で購入したりして そうした行為を 「ジャケ買い」と呼んで自虐していましたが (今日は苦笑だらけ:苦笑) 手にとったその本をレジに持って行くときに ちょっと そうした若い頃の行為を 思いだしましたよ(苦笑) 著者の山口真由さんは 東大法学部 ハーバードロースクールを いずれも首席で卒業された才媛で ときどきテレビのコメンテーーターとして 登場されていますね 財務省で勤務されたのちに退官され 現在は日米で弁護士として活躍されているという とてつもない経歴の若き女性なのですが こうした紹介の仕方をすると ポリテイカル・コレクトネスをわきまえない 粗野な人間と思われますよ と 本書のなかで注意してくださいます(笑) 人を評価するときに 若い とか 女性 とか 美しい とか そのようなバイアスのかかった表現をすると たとえ言った本人がジョークのつもりでも 「あの人はポリテイカル・コレクトネス の教育を受けていない」 とアメリカでは見做されてしまうそうで セクハラ発言が得意なオヤジとしては 耳が痛いことなのですが でも この本 とても面白かったのですよ! アメリカにおけるリベラルと その対極をなすコンサバ(保守)の 現状を紹介した上で リベラル ちょっと行き過ぎじゃないの? と揶揄する内容です <リベラルとコンサバ> まずは基礎知識として リベラル コンサバの比較がなされます @コンサバ 共和党に代表される 小さな政府を良しとする考え方で 国家による干渉を嫌い 国家に頼らず 自分の家族は自分で責任を持つ という文化を有しています 経済に関しては *市場への政府の介入はやめて 経済は自由な市場 自由競争に任せるべき *増税 社会福祉路線に消極的 *再配分による格差是正でなく 競争に任せる という主義で 外交では *名誉ある孤立主義を好み 海外への介入も最小限にする *孤高を保つのが アメリカンカウボーイの伝統的な発想と 考えます 自分の人生を選択する権利を 高らかに掲げ 人間の意志は 神の定める運命の前では小さいものと考え 科学の発展が神の領域に入ることには躊躇します 理性に対する徹底的な不信感 政府に対する不信感が 根底にあり 人知を超える大きな力の前では 人間の理性などむなしいと考えるのです しかし それが故に 異文化を尊重するという側面も持ち合わせています @リベラル 一方 民主党や ハーバード エールなどが イニシアティブをとるリベラルは 大きな政府を良しとする主義で 経済については *自由競争による弱者切り捨てを嫌う *政府による介入 増税 再配分を重視する *市場介入により 景気を改善し 格差を是正する といった考え方を有し 外交については 野蛮な地域に民主主義を布教することを正義と考え その正義のためには 敢えて武力介入も辞さないというスタンスをとります 民主主義が最も優れていると信じて疑わないから 未開地への侵略も正当化されるのです そして 理性をこよなく信頼し *理性が全ての困難を乗り越えると信じていて *自然さえもコントロールできると考え *科学の発展による人間の可能性の広がりを 無条件に素晴らしいと見做します こうして整理してもらえると リベラルとコンサバの政策の差異 そうした差異が生まれてきたかを説明できる 根底に流れる考え方の違いが とてもよくわかります そして アメリカの知識人が信奉するリベラルの えっ? という部分が 少し見え始めるような気もします 続きは次回へ
高橋医院