血液検査でわかること2
中央区・内科・高橋医院の 健康診断に関する情報 血液検査の解説を続けます <血糖値> @空腹時血糖 *糖尿病を見つける手がかりになります *検査前日の夜から飲食を控え 翌日朝に採血します @HbA1c *糖尿病の診断 その進行の度合いを見る上で 重要視されます *血液中のヘモグロビンに どの程度の量の糖が付いているかを測るもので ヘモグロビンの寿命が1~2か月なので 過去1~2か月の 血糖値の平均的推移が分かります *食事の影響を受けないので いつでも検査することができます <血液一般検査> @ヘマトクリット値 ヘモグロビン(血色素)値 赤血球数 *いずれも貧血に関する検査です *この3項目から算出する赤血球恒数で 貧血の種類や原因を診断できます @白血球数 *体内に侵入した細菌やウィルスなどから 体を守る免疫機能の 中心的な役割を担っています *感染症など体内に異物が侵入したとき 自己免疫疾患など慢性炎症があるとき 白血球を作る骨髄に異常が起きたとき などで増加します *白血球を作る細胞の はたらきが低下しているときは 減少します *喫煙者は 高値を示すことがあります @血小板 *出血した際に 血液が固まるように働きかけ 出血を止める役目を果たす血液細胞です *増えすぎると 血栓という血の塊ができやすくなり 血管が詰まりやすくなります *少なすぎると 出血した際に血が止まりにくくなります *高値の場合は 赤血球増多症 慢性骨髄性白血病が疑われます *低値の場合は 貧血 急性白血病 血小板減少性紫斑病 などが疑われます いずれも異常値が見られた場合は 精密検査をお受けください <腎機能> @クレアチニン *タンパク質が分解・代謝されてできた老廃物です *その値は 体内のタンパク質を多く含む 筋肉の量に比例するため 男性は女性より高めです *腎臓でろ過されて尿に排泄されるので 腎機能が低下すると 血中クレアチニン量が増え 腎機能障害を見つける手がかりになります @尿素窒素・BUN *タンパク質が体内で分解されると 肝臓で尿素ができますが 尿素は全て腎臓から排泄されます *腎機能低下が起こり 尿素の排泄能力が低下すると 血中の尿素が増加します *尿素には窒素が含まれているので 尿素窒素は腎機能低下の 手がかりになります @クレアチニンと尿素窒素の違い *ともに腎機能低下の指標となる クレアチニンと尿素窒素の違いは 尿素窒素は 腎機能低下時以外にも 消化管内の出血があるとき 脱水のときに上昇することで クレアチニンに比べ尿素窒素の値が高いときは そうした状態が疑われます *クレアチニン 尿素窒素ともに 腎機能低下がかなり進行しないと 増加しませんので 早期の腎機能低下を見つけるには 尿検査の方が参考になります <尿検査> @蛋白尿 *蛋白は 正常では尿細管で再吸収されるので 尿中にはほとんど出ません *蛋白尿が多いことは 腎臓の障害を反映します *腎臓に障害がなくても 発熱 ストレス 疲労 運動後などに 見られることがありますから 持続性か一過性かの判断が重要になります *早朝起床時 安静時の尿で検査すると 陰性化することもあります *随時尿で3回以上連続した場合は 持続性と診断されます *持続性に見られる場合は 早期の腎機能障害が疑われますので 精密検査の対象になります @尿糖 *血液中の糖は 腎臓で血液から濾過される過程で 水分とともに体に再吸収されますが 糖尿病で血糖が増加して 限界(腎臓の閾値)を超えると 尿糖が検出されます *血糖値が160~180mg/dLを超えると 尿に糖がでてきます *糖尿病が疑われるので 精密検査の対象になります *尿糖排泄閾値が低いと 血糖値が正常でも尿糖がでることがあり 腎性糖尿といいます 腎性糖尿は若い人に多くみられますが 必ずしも病気とはいえません @尿赤血球 *通常は 尿に赤血球は存在しませんから それが認められる場合は なんらかの病的状態が疑われ 精密検査の対象となります *疑われる病気としては ・腎・尿路系の 結石 腫瘍 外傷 ・血液凝固異常 ・IgA腎症などの腎実質病変 ・腎尿路感染症 などがあります @尿白血球 *通常は 尿に白血球は存在しませんから 認められる場合は なんらかの病的状態が疑われ 精密検査の対象となります *尿路感染症が最も疑われます
高橋医院