心房細動の発見のきっかけは
動悸 息切れなどの自覚症状による受診か
自覚症状はないけれど 
健診等の心電図検査で
たまたま指摘されることです

心房細動は 早期発見が大切です!

後述するカテーテルアブレーションによるり
根治が期待できる
早期の段階で見つけることが大切で

そのためには

*健康診断で必ず心電図をとる

*動悸などの症状を自覚したら 
 それがたとえ良くなっても
 症状に慣れてしまった可能性もあるので 
 医療機関を受診する

*ときどき 
 自分で脈をチェックする習慣をつける

といった心がけが大切です

さて 心房細動に 
なりやすい人 なりやすい生活環境
があります


<なりやすい人>



*心不全のある人 
 ない人に比べて約5倍なりやすい

*心臓弁膜症のある人
 3倍なりやすい

*心筋梗塞の既往のある人
 2倍なりやすい

*高血圧のある人
 1.5倍なりやすい
 140mmHgを超えると2倍なりやすくなる

*糖尿病のある人
 1.4倍なりやすい

*高齢者
 10歳年をとることに2倍なりやすい

この中では
年齢が一番強い因子と考えられています



また
心臓弁膜症 心不全などの
心臓の病気があると
心房に負担がかかり
心房細動になりやすくなります

甲状腺機能亢進症でも なりやすくなります


<なりやすい生活環境>

*睡眠不足

*喫煙者は 1.5倍 
 禁煙した人は 1.2倍 
 なりやすい

*アルコール多飲者は
 2倍 なりやすい

*精神的 肉体的ストレスも
 発症に関与します




一方 運動には 
心房細動の発症抑制効果があり

*余暇での活動性が高い

*1週間に歩く距離が長く 
 歩行速度が速い

*中等度レベルの運動を行う習慣がある

といった人たちは
心房細動になりにくいことが
明らかにされています


<遺伝の関与>

患者さんの1/3は 
家系の中に心房細動の人がいて

いる人はいない人に比べて
なりやすさは1.4倍も高くなります

また 両親のいずれかが心房細動だと
子供のなりやすさは 約1.8倍になり
両親ともに心房細動だと 
3.25倍に跳ね上がります


<生活習慣病としての心房細動>

ここまでの説明でおわかりのように
心房細動は
生活習慣病との関わりが深いのが特徴です

心房細動の患者さんの
6割が高血圧 
2割が糖尿病を患っておられ

高血圧 糖尿病の治療をしっかり行うと
心房細動になりにくくなり
発作の頻度も減ります




肥満 メタボの人も
心房細動になりやすく

BMI25以上だと
発症リスクは1.7倍に上がります

高血圧や糖尿病以外にも
多くの生活習慣病が心房細動の危険因子で
生活習慣の管理で
心房細動の発症進展をコントロールできます

たとえば
カテーテルアブレーション治療後の
心房細動の再発率は
生活習慣の改善があった人は10%なのに対し
改善がなかった人は50%で

生活習慣の改善が
いかに心房細動の発症予防に重要かわかります

普段から 生活習慣病の管理をしっかり行い
規則正しい日常生活を送ることが
心房細動の発症予防に大切なのです


<危険因子>

心房細動の発症の危険因子には
生活習慣病以外にも 
下記のような疾患があります

@心不全
心房細動が原因で
心不全になることもあります

@心臓弁膜症
心房細動の人が弁膜症を有していると
脳梗塞 心不全になりやすくなります

@左室肥大
持続する高血圧で引き起こされ
負荷がかかるので 
心筋細胞が大きくなり 左室の壁が厚くなる
拡張する力が落ちて 拡張不全になります

@心筋梗塞
心臓の収縮力が低下するので
心房細動をはじめとする不整脈を
起こしやすくなります

@睡眠時無呼吸症候群
高血圧 心筋梗塞 脳梗塞と
関連が深いとされます
高橋医院