パンデミックが変える世界・歴史から何を学ぶか
ネットを開いても テレビをつけても 新型コロナウイルスの話題ばかりの 今日この頃 新たな感染者数は何人だとか 政府が新しい対策を打ち出したとか なんとなく心が荒れるニュースが満載です そんななか 新聞 雑誌 テレビなどの *今回のパンデミックが 社会 文化 政治などに及ぼす影響 *ポストパンデミックの社会はどうなるか といったテーマの 記事 論説 特集番組が結構面白い! NHKのEテレは 「パンデミックが変える世界 歴史から何を学ぶか」 というタイトルで 作家のヤマザキマリ 医学者の山本太郎 歴史学者の磯田道史 という 専門分野が異なる“曲者(?笑)”の3人が パンデミックにまつわる話題について 対談する番組を放映しました 対談の内容は 正直言って 浅く広くなった感は否めませんが でも逆に *パンデミックの社会への影響 *ポストパンデミックの社会 といったことを考える際の 基本となるテーマが簡潔に網羅されて 入門編としては良かったと思います まず 対談のつかみで 今回の新型コロナウイルスによるパンデミックについて *誰もが現状から逃れられない *長い戦いをしないといけない という認識が 3人の間で共有されました 彼等が語ったことをまとめます <パンデミックと 政治 経済 社会 価値観> @「パンデミックが 政治 権力に利用されるリスクがある」 という危惧が 最初に語られました 疫病のコントロールが大義名分になり 権力側は なんでもできてしまうようになる また 権威主義的な国の方が パンデミックコントロールできやすいうえに 危機に瀕して人々も 強い政府を望むようになるので どうしてもそうした方向に流れていくリスクがある そんななか日本は 世界でも珍しい独自の「依頼と自粛」という 強制力が強くない方式で うまくコントロールできるか? どうなのでしょう?(笑) 経済に関しては @「困難な状況下で 命と経済のどちらを優先するか?」 という問いがなされました 普段はイタリア在住で 外から日本を見ているヤマザキさんは 「イタリアはカトリックの影響もあるから 命を重視するけれど 日本は経済重視?」 と言われていましたが 再度 どうなのでしょう? このままでは コロナでなく経済で死ぬ人もでてくる 自殺者が増加するのでは という哀しい予想もされていました @世の中で偏見が強まる ヤマザキさんによると ヨーロッパでは 寛容さが失われ 偏見がうまれつつあるそうです コロナの感染防御のために行う患者の隔離が 偏見を生んでしまうリスクがある 感染を 他人事でなく 自分にも起こるものと考えれば 感染そのものを防げるし 偏見も生じなくなる と 3人の意見は一致しました @パンデミックにより価値観が変わる可能性 この点を 3人の皆さんが揃って強調されました こういう状況下では 本当に必要なことを判断する力が鍛えられ 今の価値観を見直し 考え直すきっかけを与えてくれる パンデミックの社会で 何に価値観を見出すか? 生きたいという力? 経済的繁栄? 人との連帯? そして 社会は否応なしに変革されるだろう と予測します そもそも 社会の変革というものは 突然 新しい概念や枠組みが現れるのではなく 社会が内包する問題や歪みが徐々に意識され ある日 たまったマグマが吹きだすように 現れてくる場合が多いけれど パンデミックは その過程をスピードアップさせる どんな歪みを認識して どんな変革が起こるのでしょう? こうした現状分析をしたあと こんな社会をどう生きていくべきか というテーマについて語られます <パンデミック社会を生きていくために> @行動様式を変えなければいけない stay homeということではありませんよ(笑) 上から命じられたことに従うのではなく ひとりひとりが 考えたことを行っていくスタンスが大事で 考えることにより 大切なこと 価値を選べるようになる 何が大切なのか? 既存の考え方を疑う姿勢を育むことが大切である @情報量が多いことは 良いことなのか? 現代のネット社会では 情報もウイルスのように拡散して変化していく 正しい知識の共有と 情報を吟味して選ぶ力が大切で 個人のリテラシーが問われる @大切なのは 想像力 情報操作に勝てるのは 人の想像力だけれど 今の日本人は「想像力」が足りない 他の人は どんな風に苦しんでいるのだろう? 自分が自粛をサボったら 世の中にどのような迷惑をかけるのだろう? そうしたことを 想像 イメージする力が足りない だから自粛を求められる状況下でも フラフラと外出している人が多い と苦言を呈されていました 今後のブログでは ポストパンデミックについて 世界の色々な人が語ったことを紹介しますが 今日ご紹介した3人の対談に 主なテーマが網羅されていたように思いました ということで 意外に面白い番組でした
高橋医院