さて いよいよ
なんとなく同時代的に感じることができる
現代哲学の世界に入っていきます

現代哲学には

*実存主義

*マルクス哲学

*分析哲学

の3つの流れがありました

現代哲学の流れについて説明した図

その前に 現代哲学の誕生に大きな影響を及ぼした
あの超有名な哲学者について言及します

<ニーチェ>

ニーチェは
多面的なところがある
仮面を好む哲学者と言われています

神は死んだ

今までの生き方に
妥当性がなくなった世界を生きていくために
自分自身で価値を作っていかなければならない

と主張しました

神は死んだ というニーチェの主張が示されたポスター

このニーチェの考え方は パースペクティブ論と呼ばれ

あらゆる認識はどこから見るかで変化するという
相対主義の最たるものと言えます

どれが正しいなんてことは基本的にはない
絶対的な正しさはなく 
全ての知識は相対的なものである

ニーチェは
ポストモダニズムの相対主義を準備したのです

二ーチェの肖像画


ニーチェはまた

道徳的事実なんてない

絶対に正しい道徳などはなく
解釈の仕方により 何が正しいかは変わってしまう

正しさを決定するのは 人それぞれの感情だが
好きか嫌いかに留まり
正しいか正しくないかを決定するには至らない

とも述べていて
これは 分析哲学の基本的な立場につながる考え方と言えます

このように
ニーチェは現代哲学に大きな影響を及ぼしました


<実存主義>

19世紀のデンマークの哲学者のキルケゴールが始め
20世紀になりドイツで議論され

キルケゴールの肖像画
大戦後に 
フランスでサルトルらが中心になり発展しました

@サルトル

実存が本質に先立つ

まず実存し そこからさまざまな本質を作り上げていく

自分の在り方は 
あらかじめ決まっているわけではなく
自分自身でそれぞれ作り上げていくものである
(人間以外のものは 全て本質が先立つ)

実存は個別的 本質は普遍的

サルトルの写真
そう訴えて
世界に大きなムーブメントを巻き起こしたサルトルは

途中から実存主義的マルクス主義になり
自分が行為することで社会を変えることを
大きな方向性 目標にしました

1960年代は まさに実存主義の時代でしたが
書き手はまだ小学生だったので 流行に乗り遅れました(笑)

でも1970年代になり
実存主義の流れをくむカミュの小説とかは
夢中で読んでいましたが

カミュの写真

1970年以降 実存主義は下火になり
現代哲学の流れは
構造主義 ポスト構造主義へと引き継がれていきます

ポストモダン の時代です

ポストモダンについて説明する図


<構造主義>

1960年代から1970年代にかけて
構造主義が大きなムーブメントになりました

構造主義は まさに相対主義的な考え方で
やがて言語学に基づいた理論展開に発展していきます


人の生き方は
社会の中ですでに決まっているのではないか?

というのが 構造主義が投げかけた問いです


自分は自由に行動しているつもりでも
社会的なもの 構造的な様々な要因により
行動がある程度決められているのではないか?

個人の自由というより
個人を成り立たせている様々な関係の枠組み 
構造の分析こそ重要である

という考え方です

社会とは
歴史的にずっと続いている変化のないもので
理論的に 数学的に取り扱うことができる
ひとつの大きな枠組みである

構造主義について説明する図


書き手は中学生の頃
こうした考え方に 妙に魅かれていました(笑)


@レヴィ・ストロース

構造主義の雄のレヴィ・ストロースは
フィールドワークで
未開民族の親族構造 社会構造の分析を行い

人間の自由は幻想で 社会構造の中で決められている
と述べました

個人的な自由 決断が先立つのではなく
社会や言葉が行動を決定する

レヴィ・ストロースの写真


とても魅力的でした(笑)

彼の思想は
ソシュールの言語学や 記号論につながっていきます


<ポスト構造主義>

やがて 構造主義に疑問を投げかける動きが出てきます

個人の自由を規定する構造が 変わることはないのか?
構造を変えるにはどうすればいいのか?

@ジャック・デリタ

ポスト構造主義の雄のデリタは
レヴィ・ストロースの分析を 
裏返しの西洋中心主義と批判しました

未開民族をリスペクトして 
非常に優れているかのように描くことが
実は西洋中心主義の裏返しに他ならない
というのです

個人というものも 
ひとつのものとしてあるだけでなく
その中にいろいろな要素があって 色々な組み合わせ方がある

構造主義的ではあるものの
組み合わせの違いによって 個人の在り方が変わる

というのです

デリタの写真

ちょっと 混沌としてきました(笑)

 

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