新型コロナ・ソーシャルディスタンスが不安を招いてしまう
ソーシャルディスタンスは 新型コロナウイルス感染予防対策の基本ですが しかし ソーシャルディスタンスそのものが 不安を感じさせる原因にもなってしまいます <人は他者とのつながりを求める生き物である> そもそも人類は太古の昔から 他の人と一緒に問題を解決するように進化してきました 私たちを人間たらしめているものの中心にあるのが 「人と人とのつながり」です 不安や恐怖は 人とのつながりのなかで解消されていきます 逆に 孤独感は人とのつながりを促します ですから 自粛や在宅勤務で 長期的にわたり人との接触を断つことは 精神衛生的には とても不健康なことと言えます その証拠に SARSのとき ウイルスに感染し隔離された病院職員は 隔離されなかった職員よりも 不眠 イライラ感 疲労 孤独を多く訴え 数週間隔離されただけにも関わらず そうした症状は その後何年も続いたという報告があります <どう対処すればいいか?> @むしろ積極的にコミュニケーションをとる 自粛や在宅勤務の生活で精神的ダメージを受けるのは いたって正常な反応だと認識し ソーシャルディスタンスや隔離は 孤立することではないと考えます 感染予防に必要なのは あくまで物理的な距離・ディスタンスなので むしろ人とのコミュニケーションは 感染に充分に注意しながら 積極的に取り 人と人とのつながりを遠ざけないように さまざまな工夫や取り組みをすることが大切です 在宅勤務により増えた 家族との会話の機会を活用し 友人たちとはテレビ電話などでコンタクトします 良い機会なので これまで疎遠になっていた知人に連絡を取るのも良いでしょう 但し 人は自分が不安になると 周囲の人間をに助言を無理強いしたくなる傾向があるので 要注意です 人に “こうするべき” を 押し付けてしまいがちなので そうする前にひと呼吸おくことが大切です @溢れる情報に翻弄されない これまでに何回か言及しましたが SNSやテレビなどでノンストップ流され続ける情報に 惑わされないようにすることが 余計な不安を感じないために大切です 報道にクギ付けにされると パニックが悪化してしまいます 1日のうちで ニュースをチェックする時間を決めて ある程度の時間以上は ニュースに触れないようにします また 友人との会話で コロナの話題を敢えて制限することも必要です さらに 溢れる情報にしっかりしたリテラシーで臨み 信頼できる情報ソースから適切な情報と知識を得ることが 肝要になります このような対処をしても どうしても不安 心配になったら メンタルヘルスの専門家に相談するようにしましょう
高橋医院