ここ数日は暖かいですが
最近は 朝夕かなり冷え込むようになり
かぜ症状で来院される患者さんも増えてきました

当院でも発熱・インフル・コロナ外来の診療時間を定め
予約制の診療を行っていますが
受診される患者さんも少なくありません


さて 患者さんにとっては
インフルエンザと新型コロナの鑑別は困難ですので

インフルエンザと新型コロナの鑑別は困難についてまとめた図

患者さんが
「かぜかな? インフルかな? コロナかな?」
と心配された際に参考になる情報をお知らせします

当院に電話で相談される際の参考になさってください


<患者さんにお聞きしたいこと>

@年齢は70歳以上ですか?

新型コロナの重症化のリスク因子ですから
早期の受診 診断が必要です

年齢は70歳以上ですか?と問う図

@現在治療中の病気がお有りですか?

高血圧 心疾患 呼吸器疾患 人工透析
糖尿病 高度の肥満
免疫抑制薬の服用中
妊娠中
などの場合は 新型コロナのリスク因子になります

現在治療中の病気がお有りですか?と問う図

@最近1週間以内に 
 新型コロナに感染し得る機会がありましたか?

*いわゆる「3密」の状況にありましたか?
*「3密」以外にも「新型コロナに感染しやすい場面」はありましたか?
*発熱者 体調が悪い方との接触がありましたか?

新型コロナに感染し得る機会がありましたか?と問う図

これらがあると 新型コロナ感染の可能性が疑われますし
逆になければ
原則的に新型コロナ感染の可能性は低いとされています


@現在 どんな症状がありますか?

*37.5℃以上の発熱がありますか?
*味覚や嗅覚に異常はありますか?
*咳や痰 強い咽頭痛がありますか?
*強い倦怠感がありますか?
*息切れ 呼吸困難がありますか?
*他に心配な症状はありますか?

現在 どんな症状がありますか?と問う図

電話をかけてこられた患者さんには
こうしたことが有るかお尋ねしますので
あらかじめ答えを整理しておいていただけると
とても助かります


<インフルエンザ 新型コロナの症状>

インフルエンザ 新型コロナの症状についてまとめた図

@発熱

新型コロナでは
発症時の45% 全経過で85%に発熱を認めます

インフルエンザでは
急な高熱が見られることが多いです


@味覚 嗅覚の異常

新型コロナでは 60~70%で見られるとの報告があります

他に症状が全くないのに
急に完全に 味や臭いがなくなることが少なくないようです


@咳 痰 咽頭痛

新型コロナでは 肺の感染が多いので 
咳が50~80%にみられます


@強い倦怠感

新型コロナでは 70%に倦怠感を認めます

インフルエンザでは全身の関節痛などを認めます


@息切れ 呼吸困難

肺炎が疑われますので
指先で血中酸素飽和度を測定し
必要により胸部画像検査などを行います

インフルと新型コロナの症状の差異をまとめた図表


<インフルエンザか新型コロナかを検査して診断する>

上記の所見を総合的に判断し
どちらかが疑わしい場合は 当院ではすぐに検査を行います

@インフルエンザが疑わしいとき

迅速抗原検査を行います

鼻汁が出る場合は 鼻汁を用いた検査
鼻汁が出ない場合は 鼻咽頭検体を用いた検査
を行い
10分ほどでインフルエンザ感染の有無が判定できます


@新型コロナが疑わしいとき

唾液を用いたPCR検査を行います
結果が出るのに 約1~2日間かかります


診断と治療についてまとめた図表


<治療>

@インフルエンザと診断された場合

抗インフルエンザ薬で治療します
症状出現後48時間以内に投与を開始した方が効果的です


@新型コロナと診断された場合

PCRの検査結果がでるまで
ご自宅で他の方への感染に充分に注意しながらお待ちください

検査結果がでたら すぐに電話連絡します

当院から保健所に報告したのちに
その日のうちに保健所からご本人に電話連絡がありますから
他の方への感染に充分に注意しながらお待ちください


@インフルエンザでも新型コロナでもないと診断された場合

通常のかぜに準じた治療を行います

実際には こうした通常のかぜが
インフルエンザや新型コロナより多いと思いますが

いかんせん 今年は
新型コロナウイルスの存在がありますので
発熱などの症状がある場合には
患者さんに
唾液を用いたPCR検査をお勧めすることが多くなります

仕事に影響を及ぼすために
PCR検査を受けたくないと言われる患者さんもおられますが
状況を察していただきご協力いただけると幸いです
高橋医院