SNSの危険性8
ガブリエルは タイムズスクエアに集う人々を見ながら こう語ります 現代人はテクノロジーの進歩により 欲望の奴隷と化し 多くの人たちが無限の欲望の鎖を作っている まるで自ら志願して 奴隷になったようにすら見える 現代社会で起きている 地球環境の破壊 ロボット・AIの台頭 ポピュリズム 功利主義の政権などは 全て民主主義への反動的な攻撃で 自由の論理は こうした憎しみの連鎖を招いた テクノロジーが作った無限の欲望の鎖から 解き放たれるためには どうしたらいいのか? そして 現代社会の象徴とも言えるSNSについて 意外な分析を始めます <SNSは自由意志を損なう> 人間の社会性というものは 社会ネットワークの構造次第で損なわれてしまうが 新たな社会ネットワークであるSNSは 民主主義 自由意志 自由を損なっている と ビックリするようなことを語ります どういうことかというと SNSは 自己表現の場を与えるプラットフォームで 人は 自分が好きなこと 理想の自己イメージを SNSを介して社会に伝えている そうした行為は 往々にして 満たされない思いや空虚な心を癒やそうとするために行われるので 人々は自ら望んでSNSを使おうとする しかし SNSがやっていることは まるで意見が合わない人と否応なしに付き合わせることで 人は意見が合わない時に 相手に対抗する自己イメージを生み出してしまう そしてSNSは 人に無意識のうちに 全てを「好き・嫌い」のパターンに分けさせる 人を開放しているように見せかけて 実は人の健全で自由な考え方を奪い取っているのだ このようにして人の自由は 知らず知らずのうちに操られている こうしてSNSは 民主主義を弱体化させる さらにSNSの悪いところは プラットフォームが決して中立ではないこと 人がSNSを利用する すなわちデータを提供することにより プラットフォームは 多くの人が何を望んでいるかを 無償で知ることができる たとえばグーグルは データを送る人のことを その人自身以上によく知っている こうして プラットフォームは 人に意識させることなくビッグデータを得て 社会性を予測し ビジネスに利用している それは 人のデータ 自由の搾取に他ならない SNSは 何かが根本的に間違っている データの搾取はまさに大きな間違いのひとつだ しかも SNSには 法の支配がない だから アナログな公共の場ではできないことが SNSでは何でもできてしまう 他人の誹謗中傷もできてしまう 今のシステムでは 意見の相違をオンライン上で解決する合法的な方法はない こうしてSNSでは 管理不能な意見の相違が生じ そのすれ違いが知らぬ間に社会を解体している SNSのプラットフォーマーは こうしたことを十分に認識したうえで 金稼ぎのために人々にSNSを使わせているのだ まさに 無法な西部開拓地の状態で SNSがカリフォルニアから生まれたのは偶然ではない と揶揄します(笑) それにしても かなり強烈なSNS批判ですね 人々がSNSを利用することで 無意識にプラットフォーマーにデータを供給していることは よく指摘されていることで 書き手も認識していますが 便利さとのバーターで 敢えてSNSを利用している面があります しかし SNSが使う人の考え方に影響を及ぼしたり 自由を搾取しているという認識はしたことがありませんでした でも ガブリエルが SNSはトランプを大統領にしたと言っているのを聞くと 確かにそうなのかなと思ってしまいます(苦笑)
高橋医院