ワインの樽熟成
ワインは醸造されたのちに 一定期間 熟成されます 熟成に用いられるのは 樽とびんで それぞれを使い分けます 赤ワインは 半年~3年間 樽で熟成させてから びんにうつしますが 新樽の場合は 香りなどが付きすぎないように 1年以内に古樽にうつします 白ワインは 一部を除いて 樽熟成を経ず びんで熟成させます 樽熟成をする場合は 半年~1年間で 新樽だと6~8ヶ月間 寝かせます フレッシュでフルーティーな白ワインでは 樽熟成は禁忌です <樽による熟成> @樽熟成の特徴 樽材の木目を通して気体の出入りがあるので 酸素の影響を受けやすく 樽熟成の過程で ワインの成分と酸素が反応するため 酸化的熟成と呼ばれます また 樽材から リグリン ポリフェノールなどの成分が溶出し ワインの成分と化学反応を起こして ワインの香味を複雑にします 樽から溶出する成分で代表的なものは 低分子フェノールの バニリン酸 バニリンなど 高分子フェノールの リグリン タンニンなど です 樽のポイントとなるのは 木目の細かさ タンニン含量 リグニン含量で ワインのタイプにより目的にあった樽を使い分けます 代表的な樽は アメリカンオークとヨーロッパオークです @アメリカンオーク(ホワイトオーク) バニラの香りを持つバニリンがヨーロッパオークより多いので 新樽では6~8ヶ月間の短期間熟成にとどめます @ヨーロッパオーク リムザンオーク アリエオークなどのフレンチオークが有名です リムザンは 空気を通しやすく タンニンの量が多い樽で アリエのトロンセオークは ボルドーの1級シャトーの新樽熟成に用いられます
ホワイトオークの2倍の価格がします @大きさ 200リットルの大きさの樽がいちばん良く使われて このサイズの樽では ワインと樽材の接触機会がより多くなります @トースト 樽の形に曲げられるように 樽材を火で焼いてトーストしますが トーストした新樽の内側とワインの相互作用により ワインに強い風味が与えられます 内部の焼き方が強いと 樽香が強くなります @赤ワイン 白ワインの樽熟成 赤ワインは 樽熟成により色が安定化し 粗い渋みが滑らかな渋みになります 熟成の初期にある程度の量の酸素があることにより こうした変化が起こります 白ワインでの樽熟成は シャルドネ ソーヴィニョン・ブランなどの一部の品種に限られます 白ワインでも 樽発酵 樽熟成の組合せにより 適度な樽香を持つワインが作れ ミュスカデ ムルソーなどが有名です @新樽と古樽 新樽は かなり強い香りがつくので 古樽の方がワインに及ぼす影響が少なく うまく熟成できることが多いです ですから 新樽より2度目~3度目の使用の樽の方が 高頻度に使われます
高橋医院