ワインの醸造に関する話題が あらかた終了しましたが
熟成の話題に行く前に
ワインの種類 甘口・辛口などについて説明します

<白ワイン 赤ワイン>

@白ワイン

白ワイン

白ブドウの実を破砕したあとに 
果皮 種子を取り除いて 果汁のみを発酵させます

破砕時に自然に流れてくる果汁をフリーラン果汁と呼び
軽くフレッシュでフルーティーな白ワインを作るときは
フリーラン果汁を用いて発酵します

一方 シャルドネなどでコクがある白ワインを作るときは
フリーラン果汁を分離せずに発酵することがあります

@赤ワイン

赤ワイン

黒ブドウを
果汁と果皮 種子を一緒に発酵させるのが赤ワインです

果皮に含まれるアントシアニンが溶出するので
ワインの色が赤くなります

アントシアニンは ポリフェノールの一種です

また 果皮 種子からタンニンが溶けだすので
味わいが渋くなります

タンニンも ポリフェノールの一種です

果皮 種子からアントシアニン タンニンが得られることを説明する図


アントシアニン タンニンなどのポリフェノールが持つ抗酸化作用により
赤ワインは白ワインよりも長持ちするとされます

赤ワインでは
果皮 種子からいかにして適度に色 渋味を引き出すか
ワイン造りのポイントになり
発酵の温度調節 果皮 種子を分離させるタイミングが重要になります

逆に白ワインでは
ポリフェノールなどは フレッシュ フルーティーさの邪魔になるので
いかにして果皮 種子からポリフェノールなどが溶けださないようにするかが
ワイン造りのポイントになります


<ロゼワイン オレンジワイン>

@ロゼ

ロゼワイン

ロゼワインは
黒ブドウを原料にして 白ワインの製法で作ったワインです

黒ブドウを破砕したあとに
白ワインを作るときのように 果皮 種子を取り除いて
果汁のみを発酵させたます

ロゼワインの造り方を説明する図

@オレンジワイン

オレンジワイン

以前に説明しましたが ロゼワインの逆バージョンで
白ブドウを原料にして 赤ワインの製法で作ったワインです

白ブドウを破砕したあとに
赤ワインを作るときのように 果汁と果皮 種子を一緒に発酵させます

オレンジワインの造り方を説明する図

ワインを造る人たちは 色々な面白いことを考えつきますね!

<シャンパン>

シャンパン

シャンパンは まず普通に白ワインを作り
それをびん詰めして そこに糖分を添加し シャンパン酵母を加えて
瓶内で二次発酵させて作ります

二次発酵で生じた二酸化炭素が
ワインに溶解してシャンパンの泡になるのです

シャンパンの造り方を説明する図


二酸化炭素は 圧力が高いほど液体に溶けるので
シャンパンボトルの内圧は5気圧ほどあります

シャンパンができたときの裏話は
フランスワインを解説するときに詳しく紹介します

<ワインの甘口 辛口>

ワインを選ぶ時の大きな選択肢のひとつが 甘口 辛口です

甘口 辛口の違いを説明する図

@辛口ワイン

アルコール発酵が完全に行われると
アルコール度が高くなり
糖分は完全に利用されて残りが少なくなるので 辛口になります

発酵の程度と甘口 辛口の関係を示す図

@甘口ワイン

亜硫酸の添加 冷却などにより アルコール発酵が途中で止められると
アルコール度が低くなり
発酵に使われなかった残りの糖分が多いので 甘口になります

アルコール発酵を止める時期により ワインの甘さが調節できます

<ヴィンテージ>

ワインの品質の90%は ブドウの品質と酵母の種類で決まりますが
ブドウの品質は 気候条件などで毎年変わります

さまざまなビンテージが記されたワインのコルク

良い年・ヴィンテージは
ブドウの生育期間中の
降水量が少なく
日照時間が長く
気温が比較的高く 昼夜の温度差が大きい

悪い年は その逆です

高緯度にある栽培地ほど 気候による影響を受けやすいので
ヴィンテージによる品質差が大きいとされています
高橋医院