ポマール ヴォルネイ ボジョレー
フランスワインの解説の最終回は これまでに紹介できなかった ブルゴーニュの赤ワインにフォーカスします <ポマール ヴォルネイ> 中世から名高いコート・ド・ボーヌの赤ワインが造られる 白ワインの印象が強いコート・ド・ボーヌでは珍しい 赤ワインだけが認められた村です ブルゴーニュの首都ボーヌから 数kmほど南下した所にあり 街に近い北側がポマール 南側がヴォルネイと隣り合っていますが 隣り合いの村でも ワインの味わいは驚くほど異なります @ポマール タンニンが豊富で ジュヴレ・シャンベルタンのように力強く男性的な味わいで 1級畑のリュジアンが有名です @ヴォルネイ シャンボール・ミュジニーのように 繊細で女性的な味わいで 評価の高い畑は カイユレ クロ・デ・デュック クロ・デ・シェーヌなどです <マコネ ボージョレ> マコネは ブルゴーニュ地方の最南端に位置し *シャルドネから前回紹介したプイイ・フュイッセ *ガメイからボージョレ を生産しています @ボージョレ リヨンの北に位置する上質なガメイを生み出す地区で ここでガメイから造られる新酒のボージョレ・ヌーボーは 世界的に有名です ガメイでワインを醸造する際は カーボニック・マセレーションという ブドウの果粒と枝を分別せず 破砕せず 房ごと発酵させる技術が用いられ こうすることでみずみずしいフルーティなワインが得られます ガメイは 果皮は薄く果粒は大きく 造られるワインは果汁の比率が高くなるので 明るい色調になることが多いのが特徴です 若いガメイのワインは フレッシュでフルーティという言葉がぴったりの赤ワインです イチゴやラズベリーの甘酸っぱい果実や スミレのような花の香りがし アルコール度数がやや低めのライトなボディで 酸味が程良く効いたカジュアルなワインに仕上がります 一方 クリュ・デュ・ボジョレーなどのガメイの上級ワインは 色合いも深いルビー色で ベリー系の香りの他にもとても複雑なニュアンスが感じられ 飲み口はとても滑らかですがタンニンも感じます ここ数年 ガメイは人気が上昇していて ボージョレの上級ワインには ブルゴーニュの赤ワインに決して劣らない素晴らしいワインが多く それらがブルゴーニュのワインよりも安価であることから ガメイのワインを手に取る人が多くなってきました また 最近流行のシンプルな料理に合わせるワインも 飲みごたえのあるものより ボージョレのような飲み心地良いワインが 選ばれるようになってきています
高橋医院