気になる彼や彼女との初デート 
どんな風に会話を盛り上げていけばよいでしょう?

いきなり親密な会話をかわすことは難しいですから
先ずは会話が滞ることがないように
あたりさわりのない質問をします

たとえば
「美術館に行くのは好きですか?」
「スポーツは好きですか?」 

相手が「はい好きです」と答えてくれたら
次のステップに進みます

次は より会話が弾むような質問をします
「どんな画家が好きですか?」
「どんなスポーツをするのですか?」
「その画家のどんなところが好きなのですか?」
「どうしてそのスポーツをするようになったのですか?」

 会話が弾んでいる様子

そうやって会話を膨らませながら 
親密な関係を築いていく

甘酸っぱかった頃を思い出しましたか?(笑)

最初の質問は 
答えがYes Noに限られる質問です 

このタイプは クローズドクエスチョン

次の質問は
相手が自由に好きなことをしゃべることができる質問です 

こちらは オープンクエスチョン

 オープンクエスチョンを説明する表

初デートの必勝法は
クローズドクエスチョンからオープンクエスチョンへ!


でも今日のブログのテーマは
初デート必勝法ではありません(笑)

医学生は 講義で病気のことを学んだあと 
病棟で患者さんと接しながら実習しますが
(最初に病棟に行ったときは ホント ドキドキでした、、、)

最近の医学生は病棟実習の前に
「医療面接」の講義と実習で 
患者さんとのコミュニュケーションの仕方を学びます

書き手が医学生のときは
そんな授業も実習もありませんでした

医療面接では 
初めての患者さんと会話をする際 
どのようにすれば正確な診断にたどり着けるか 
を学びますが

ポイントのひとつが 上記の
オープンクエスチョン
クローズドクエスチョン
の使い分けです

初デートでは
「クローズドからオープンへ」が鉄則でしたが

患者さんと初めて会話するときは デートとは逆の
「オープンからクローズドへ」が鉄則です

まずは患者さんにオープンクエスチョンを投げかけ 
つらいこと 苦しいこと 心配なことを
自由に話してもらう

「今日はどうしましたか?」
「なにがつらいですか?」

患者さんから返ってきた答えを吟味し
鑑別すべき病気を想定して

その想定が正しいかどうか明らかにするために 
徐々に質問の形をクローズドにしていく

「その症状がつらくなるのはこんな時ですか?」
「他にこんな症状はありませんか?」

最初からクローズドクエスチョンを連発すると 
患者さんは 
自分が訴えたいことを充分に話せていない 
医者は自分の話を聞いてくれない
といった不満が生じて
医者との信頼関係の構築が困難になってしまいます

ですから
最初はオープンクエスチョンで 
患者さんに訴えたいことを存分に話してもらう
ことが大切です 

 医者と患者が話している様子

ただ 投げかけたオープンクエスチョンに対して
あらゆる症状や心配事を一気にまとまりなく話されると 
正直言って困ってしまうことがあります

そんなを状況を 
どうやって患者さんに不満が残らないよう
上手にマネージするかが腕の見せ所ですが

どんなに場数を踏んでも
なかなか難しいことも少なくありません(苦笑)

当院では診察前に問診票に記入していただき 
患者さんの症状や不安なことを
把握できるようにしていますが

最近は問診票が必要ないほどに 
ご自分の症状の経過
(どんな症状がいつからどのように表れたか) 
心配していることなどをメモにまとめてこられ
それをもとに要領よく話してくださる
患者さんもおられます

つらいことや心配なことがたくさんある場合は 
優先順位をつけて順番に話していただけると
医者も助かります

また会話で生じた疑問は
遠慮なく質問していただくことは
とても重要です

医者と患者さんとの最初の会話である医療面接は
(昔は問診と言いました)
正確な診断をつけるために重要ですが 
その後の信頼関係の構築にもキーポイントになります

ですから近年はとても重視され 
本屋さんには医療面接用のテキストもたくさんあります

書き手も学生さんの試験監督をしていたとき 
その手のテキストを読みました
(今はブログネタになっています:笑)

ただ
生身の患者さんとの対応は 
教科書に書いてあるようにマニュアルどうりに
いかないことも少なくない

ひとりひとり違うし
同じ人でも状況により微妙に異なってきます

そこが臨床の醍醐味でもあり
同時に難しいところでもあります 

学生さんも現場に出たら
戸惑ってしまうこともあるでしょう

デートも医療面接も
場数を踏みながら上達していくものですね(苦笑)

 

高橋医院