あるところに
姉はスリム 妹はデブ
そんな一卵性双生児がいました

彼女達を見たある研究者が
あるアイデアをひらめき 
彼女たちに頼みました

「ねえ 君達のウンコを 僕にくれませんか?」

 一卵性双生児の写真

えっ 今日はスカトロネタ? 
ついにそこに行く?

いえいえ 真面目な話ですから
どうぞご安心を(笑)


姉妹からウンコをもらった研究者は
「腸内細菌叢」の研究をしていました

腸内細菌叢

聞きなれないワードかもしれませんが 
今 この業界ではもっともホットな分野です


 腸内細菌叢の写真

研究者は姉妹からもらったウンコを用いて
3つの実験を行いました

@実験1

彼は姉妹からもらったウンコから分離した腸内細菌を
germ freeという無菌状態で飼育されているマウスの
腸内に移植しました

すると
同じエサを食べて
同じくらい運動していたにもかかわらず

スリムな姉のウンコを移植されたマウスに比べ 

デブな妹のウンコを移植されたマウスは
皮下脂肪が厚くなり 体重も増えていたそうです

どーして?


@実験2

デブの妹のウンコを移植されたマウスと 
痩せた姉のウンコを移植されたマウスを 
同じケージで飼ってみました

マウスは同じケージで飼われているマウスのウンコを
互いに食べますが

デブの妹のウンコのせいで太ったマウスは 
痩せた姉のウンコを移植されたマウスのウンコを食べると 
なんと痩せてきました

一方

痩せた姉のウンコを移植され太らなかったマウスは 
太ったマウスのウンコを食べても痩せたままでした

再度 どーして?


@実験3

実験2でみられた現象は

食物繊維が多く飽和脂肪酸が少ない
健康的なエサを与えていたときは
認められましたが

食物繊維が少なく飽和脂肪酸が多い
太るエサを与えると 
認められなくなりました

再々度 どーして?


 実験の解説の図

いやー この実験を計画した研究者は
毎日マウスのゲージを見に行くのが
楽しみで仕方なかったでしょうね(笑)

実験1の結果が明らかにしたことは

デブな人の腸内細菌はマウスを太らせるが 
痩せた人の腸内細菌はマウスを太らせない

つまり
腸内細菌が 太るか痩せるかを規定している


実験2の結果が明らかにしたことは

痩せた人の腸内細菌は 
太った人の腸内細菌の太らせる作用を
超克してしまう

つまり
痩せた人の腸内細菌は
太った人の腸内細菌よりも 作用が強い


実験3の結果が明らかにしたことは

メタボにさせるような食事だと 
痩せた人の腸内細菌が発揮した肥満を防ぐ効果が
消失してしまう

つまり
食事内容によって
腸内細菌が痩せさせる力は規定される

この論文を読んだとき 驚きましたよ!


どうですか? 
腸内細菌叢の面白さを感じていただけましたか? 
ウンコ すごいかも?(笑)

”つかみ”はこれくらいにして 
ホントに面白いのはこれからですよ! 

To be continued !
高橋医院