中央区・内科・高橋医院の
お酒と健康に関する情報 


「お酒を飲んだら太るのか?太らないのか?」

という”切実な問題”の解説シリーズに入ります

ビールジョッキを手に持つ腹のつきでた肥満な人

皆さん 
大いに関心がおありなのではないでしょうか?(笑)


そこで先ず本題に入る前に

飲む量の多い・少ないを
判断する際に用いられる「アルコール量の基準」

について説明しましょう

お酒をどれだけ飲んだか?

ビールグラスと聴診器

評価に用いられるのは
ビールをジョッキ何杯飲んだ 
日本酒を何合飲んだ といったことではなく

体内にどれだけの純アルコール量が摂取されたか?

ということです

肝臓に浴びせかけられるアルコール

言い方を変えると

アルコールを代謝する肝臓が 
どれだけの量のお酒を浴びたか?

ということ(笑)

焼酎でもワインでもビールでも
肝臓にとっては
単なるアルコール(エタノール)に過ぎませんから

体(肝臓)への影響を評価するには
どんな種類のお酒をどれだけ飲んだかを
純アルコール量に換算しなくてはなりません


どれだけの量の純アルコールを摂取したかは

「飲んだお酒の量(ml)x飲んだお酒のアルコール度数(%)」

で計算できます

それにアルコールの比重の0.8を掛けると
体内に摂取された純アルコール量が
グラム(g)で表せます

たとえばビールのロング缶1本飲むと
500mlx0.05(ビールのアルコール度数は5%)x0.8で
20gの純アルコールを摂取したことになります

日本酒1合だと 180mlx0.15x0.8で 21.6g
ワイングラス1杯だと 125mlx0.14x0.8で 15g
焼酎1杯だと 100mlx0.25x0.8で 20g

普段飲まれている
ワイングラス 焼酎グラスが大型の方は
適宜補正をお願いします(笑)


基準飲酒単位となる「1ドリンク:Standard drink」
に含まれる純アルコール量は
国によりまちまちで

アメリカは14g 
フランス・デンマークは12g
イタリア・オーストラリア・ニュージーランドは10g 
イギリスは8g

いろいろな種類のお酒のワンドリンク量

この微妙な違い 
アルコールに対するお国柄が出ている?(笑)

他の国々の1ドリンクの純アルコール量をもう少し見てみると
ハンガリーは17g ポルトガルは14g
アイルランド・ポーランド・スペイン・オランダは10g 
オーストリアは6g

そしてダントツでトップなのが
なんと日本の 20g!

このデータを見たら
世界の人々は日本は酒飲みの国と思ってしまうかも?(笑)


実はこれにはわけがあって
もともと外国の「1ドリンク」は
「過度の飲酒を防ぐための指標とする飲酒単位」
として設定されましたが

日本では飲酒に関する統計をとり始めたとき
単純に日本酒1合を1単位として定めたために 
1単位=20g になりました

つまり日本の1単位は
「過度の飲酒を防ぐために定めた最小飲酒単位」
ではないのです

そこで最近は
日本でも 従来の1単位=20gでなく
1ドリンク=10g を
新たな基準量として取り扱う傾向にあります

ちなみに 
1ドリンク=10g の純アルコールを含むお酒の量

ビールだと250ml : 中ビン1本 ロング缶半分
焼酎だと50ml : シングル2杯弱
日本酒だと80ml : 0.5合
ウイスキーだと30ml : シングル1杯
ワインだと100ml : ワイングラス1杯弱

ビール ワイン ウイスキーのワンドリンク量

この「1ドリンク」が
今後の話題の基準になりますので
記憶に留めておいてください

さて 読み手の皆さん 
先週は何ドリンク飲まれましたか?

指折り数えて 片手ですみましたか?
それとも足の指も必要になりましたか?(笑)

指を折って数える少年

書き手は えーっと、、、、
個人情報は内緒です!(笑)
高橋医院