中央区・内科・高橋医院の
お酒と健康に関する情報 


女性は男性に比べて 
アルコールの代謝能力が3/4程度しかないため
お酒を飲むと血中アルコール濃度が
高くなりやすい

したがって
同じ量を長期飲酒した場合 
男性より早く肝障害が現れ

アルコール性肝硬変の患者年齢が
男性より10歳以上も若い

過度の酩酊のリスク 
特に急性アルコール中毒のリスクも男性より高いし
アルコール依存症にもなりやすい

また 高齢女性では
骨粗鬆症が大きな問題となっていますが
多量飲酒は骨密度を減少させ 
骨粗鬆症や骨折の原因にもなります 

飲酒量と死亡率の関係の男女差を示すグラフ

上のグラフが示すように
同じ1日アルコール摂取量でも 
女性の死亡相対リスクは男性に比べて高い

それだけ女性は 
飲酒による健康被害が起こりやすいのです

しかし現代社会では 
飲酒機会の男女差はなくなっていて
20代前半では女性の飲酒機会は 
男性を上回っているほどです

お酒を飲む女性

ですから「健康日本21」には

*女性の飲酒量は 
 一般的に男性の半分から2/3くらいにするのが安全

*1日の純アルコール摂取量は 
 10g程度に抑えることが好ましく

*20g以上だと
 生活習慣病のリスクが高まるので要注意

と記されています

女性ご自身がこうしたことを認識され
節度ある飲酒をされることが大事ですが
一緒にお酒を飲む男性もこうしたことを知り
気配りをする必要があると思います

でも 男まさりの酒豪の女性 
かなりおられるのも事実ですが、、、


女性の飲酒で大きな問題になりつつあるのが 
アルコール依存症です

昔は稀でしたが 
最近は増加の一途をたどっており

1984年と2003年で比較すると
数は倍以上になり
今では依存症全体の約2割を
女性が占めると推測されています

女性のアルコール依存症患者数の経時的増加を示すグラフ

20~30代では 
摂食障害や薬物依存などを併発している傾向があり

30代後半 40代では
 生活や仕事のストレスが原因となっていることが多い

50~60代以上では 
配偶者を亡くしたことや
体の衰えによりお酒に弱くなることが原因となります


女性のアルコール依存症の特徴として
短期間で依存症となる

・患者年代のピークが30代と若い

・摂食障害やうつ、自殺未遂など
 様々な精神的問題を抱えていることが多い

・配偶者の大量飲酒や家庭内暴力など
 家庭内環境に大きく影響される

自責感が強い
周りの気づきが遅い

といったことが挙げられます

少量でも飲酒すれば
短期間で元の飲み方に戻ってしまうため
完全に断酒することが必要ですが 
うまくいかないことも少なくありません

女性のアルコール依存症なんて
別の世界のことと思われるかもしれませんが
世の中にはそうしたことで苦しまれている方が
おられるのも事実です

男性も女性も 
お酒は節度をもって楽しみたいものです


高橋医院