危険な頭痛
頭が痛い と言われて受診される患者さんは 多くおられます 医者は 患者さんを診察するときに 命にかかわるような重篤な病気や 緊急な処置が必要な病気ではないか? ということを いちばん最初に吟味しますが 頭痛を訴えて来られる患者さんを診たときに そうした文脈で最初に疑ってかかる病気は くも膜下出血です そして 患者さんにこんな質問をします 「その頭痛は 突然現れましたか?」 「以前にも同じような頭痛はありましたか?」 「症状はだんだんひどくなってきましたか?」 「頭痛以外に 吐き気 しびれ 手足が動かない 視野が欠ける といった症状はありますか?」 Yesがいくつかあったら すぐにCTかMRIが検査できる施設に 紹介することになります このような命にかかわる頭痛を 二次性頭痛と称して そうでない頭痛(一次性頭痛)と まず最初に鑑別します 二次性頭痛は 頭痛全体の10%を占めるに過ぎませんが その原因としては くも膜下出血以外に 髄膜炎 脳腫瘍 脳出血などがあり いずれも命にかかわる危険な頭痛なので 充分な注意が必要です そこで この危険な二次性頭痛の鑑別法を 患者さんも知っておかれた方が良いと思います 繰り返しになりますが 危険な頭痛は こんな頭痛です *突然はじまり *今までに経験したことがないような激しい痛みで *いつもの頭痛とは感じが違い *時間経過とともに痛みがひどくなってきて *頭痛以外に ・吐き気や嘔吐がある ・発熱がある ・首の回りが硬く感じられる ・手足の動きが悪い しびれを感じる ・うまく歩けない ・ろれつが回らない ・視野が欠ける モノが二重に見える ・痙攣がある などの症状がある これまでに頭痛を経験したことはなかったのに 50歳を過ぎてから 初めて頭痛を感じることも 危険なサインのひとつです このような頭痛を自覚されたら すぐに医療機関を受診されるか 症状がひどければ 救急車を呼ばれた方が良いでしょう 頭痛は 4人に1人が悩まれているという とてもポピュラーな病気です 今回から何回かに分けて この とても頻繁にみられる頭痛について解説していきます
高橋医院